〈スッキリ! 片付け術〉幼児のいる家庭の整理(下) 帰宅時の動作の数少なく

写真はイメージ(yamasan / PIXTA)

子どもの幼稚園などからの帰宅後、かばんや上着、靴下などで玄関やリビングが散らかってしまう―。そんな悩みを持つ保護者も多いのではないでしょうか。幼児が自分で身の回りのものを片付けられるように、どんな環境づくりが必要なのか、3歳、6歳、9歳の3男を育てる札幌在住の整理収納アドバイザー星野恵美子さん(38)に聞きました。

「幼児の片付けには、何より動線が大切。間取りを簡単に書いて、無駄のない動きで片付くように考えます」と星野さん。帰宅後、《1》かばんを下ろし上着を脱ぐ《2》手を洗う《3》かばんの中身を出し、汚れたタオルや靴下を洗濯かごに入れる《4》上着をかける《5》かばんを定位置に戻す―。こうした動きが無意識でもできるよう、収納の位置を決めます。 星野さんの自宅では、玄関に入ってすぐの、洗濯機と洗面所のあるスペースのそばを身支度の場所にしています。子どもの背丈ほどの棚の中にかばんなどを置き、隣のスチールラックのポールには、ランタンをつるすハンガーを付けて上着をかけられるようにしました。「入れるだけ」「かけるだけ」など動作の数を最小限にするのがポイントです。

星野さん流 幼児が身支度しやすい収納

星野さんは「幼いうちは、親が『今からカバンの中の水筒をキッチンに運びます』などと実況中継しながら見せるといいですよ」と提案します。「さあ一緒にかばんの片付けをしよう」と一つずつできることを増やし、できたら「さすが」と褒めてあげましょう。 子ども用の棚を置く余裕がない場合、玄関近くの天井と床に突っ張り式のポールハンガーを設置するのも一案です。帽子や上着を子どもが自分でかけられます。ハンガーの高さを自在に調節できるスチールラックを使うのもお勧めです。 星野さんは、朝の身支度がスムーズになるよう、子ども用の棚の引き出しにタオルやマスク、弁当袋をそれぞれ入れています。帽子は書類用のファイルボックスを使うと、子どもが出し入れしやすいからです。「習慣になれば忘れ物もしづらくなり、親も時間に余裕ができます」と説明します。

おすすめ便利グッズ「キャンプ用のハンガー活用」

おすすめ便利グッズ「キャンプ用のハンガー活用」

幼児の帰宅後、自分で上着を定位置に戻せるよう、星野さんが利用しているのはダイソーの「ランタンハンガー」です。元々、テントのポールに引っかけて、ランタンをつるすためのキャンプ用品。スチールラックのポールや机の脚などの家具に付け、服や小物類もつるせます。「子どもの背丈に合わせて、高さを簡単に調節できるのが魅力です」(星野さん) 長さ14センチ、幅5.5センチ。直径2~2.5センチのポールに対応します。耐荷重量3キロ。価格110円。ダイソー各店で取り扱っていますが、在庫のない場合もあります。

取材・文/有田麻子(北海道新聞記者)

教えてくれたひと

星野恵美子さん

整理収納アドバイザー

ほしの・えみこ 三重県出身。結婚を機に札幌へ。子育てで行き詰まったことをきっかけに片付けに興味を持ち、2016年に整理収納アドバイザー1級を取得した。「親・子の片づけマスターインストラクター」の資格も持ち、子育て世代向けの収納や、子どもに片付けを促す声かけ方法を発信している。

この記事に関連するタグ

Ranking

  • すべて
  • ライフスタイル
2024
5/3
FRI

Area

北海道外

その他