産後ママの相談乗ります 室蘭・助産師らのサポート事業好評 モデルハウスで月4日開催

モデルハウス内で運営する「室蘭産後デイケアステーション」。アットホームな雰囲気の中で、高村さん(左)と竹内さん(奥)は母親たちに寄り添う

室蘭市の助産師高村泰子さん(50)と、出産前後の母親を支援する民間資格「産後ドゥーラ」を持つ室蘭市の竹内えり子さん(44)が、出産後間もない母親の心身をサポートする事業「室蘭産後デイケアステーション」を行っている。住宅メーカーのモデルハウス(高砂町1)を借りて月4日間運営。くつろいだ雰囲気の中で母親の相談を受ける。4月の事業スタートから延べ30組の利用があり、「自宅にいるような環境で、安心して話ができる」と好評だ。

市内では、保育士や保健師、元教員などが育児や子育ての相談に乗る室蘭市の子育て世代包括支援センター(東町4)があるほか、同市が身の回りの世話などを行う「産前産後ママヘルパー」事業などを行っている。ただ、急きょ利用したい場合や休息時間を取りたいなど母親の細かな要望をかなえるサービスは不十分な面もある。市などによると、こうした民間の長期にわたる取り組みは市内で初めてという。

高村さんは2019年から市内で訪問専門の助産院を運営しており、身近に頼れる人のいない母親の声を聞いてきた。悩みを抱え込む母親が多く、行政サービスだけでは手の届かないところをサポートし、「気楽に子育てできる環境をつくりたい」と事業を始めた。

モデルハウスは、趣旨に賛同した日本ハウスホールディングス室蘭営業所が無償提供。原則毎月第2、4の木、金曜(いずれも午前10時半~午後3時)に、高村さんらが同ステーションを運営する。営業所の松本聡所長は「話を聞いて何か力になりたいと思った。期限は特に設けず、できる限り協力したい」と言う。

同ステーションは1回3千円で1日3組限定。時間内なら、何時間いてもよい。2階建て4LDKのモデルハウスで、和室に布団を敷いたり、寝室でゆっくりしながら、たわいもない雑談や育児の悩みなど各種の相談に乗る。要望があれば食事を1食600円で提供する。

11月末までに計25日間実施し、市内や登別市のほか、伊達市や苫小牧市などの母親が利用した。1歳を迎える長女とよく利用する室蘭市の岩本望さん(34)は「授乳や子どもの便秘などのちょっとした相談を気軽にできる」と喜ぶ。

竹内さんは「母親は子どもを抱えながら食事することが多いが、ここに来て『両手を空けてご飯が食べられる』と喜ぶお母さんが多い。私も子育てで苦労したので、少しでも役立ちたい」と話す。

2人は今後、骨盤ケアやヨガなど産後に変化した体形を気にする母親の悩みを解決するプログラムにも取り組んでいく。高村さんは「産後うつや虐待を防ぐためにも効果的」と話す。

前日までにLINEの予約フォームから。問い合わせは竹内さん、電話090-9518-6979へ。(伊藤空那)

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