連載【0カ月からの育児塾】

出産する施設、どう選ぶ?

写真はイメージ(たえたえ / PIXTA)

出産する施設(分娩=ぶんべん=施設)はどう選べば良いのでしょうか。総合病院や助産院などそれぞれに特徴があります。地域によっては選択肢が限られますが、選べるのであれば、希望する出産方法や母子の健康状態に対応できるかを調べることが大切です。北海道助産師会会長の高室典子さん(札幌)に、選び方のポイントを聞きました。

出産方法、自宅からの距離 総合的に

分娩施設は大きく分けて病院(20床以上)、医院・クリニック(20床未満)、助産院の三つです。高室さんは、母親や赤ちゃんに疾患などのリスクがある場合は、複数の診療科がある総合病院や大学病院が望ましいと言います。ただ、混んでいて分娩予約を取りにくかったり、紹介状が必要だったりする場合もあります。

クリニック・医院は、妊娠から出産まで同じ医師が診ることが多く、スタッフとの距離も近いので「質問しやすい」と高室さん。助産院は助産師が分娩介助を行います。アットホームな雰囲気で、家族の立ち会いやフリースタイル分娩など個々の要望に応えやすいのが特徴です。医師はいないので、疾患などのリスクが少ない自然分娩の人が対象です。緊急時の搬送先を聞いておくと良いでしょう。

それぞれの特徴を踏まえて施設を選びます。高室さんが挙げるポイントは九つ。《1》自宅からの距離《2》評判《3》費用《4》設備やサービス《5》医師や助産師との相性《6》望む出産方法に対応しているか《7》産後のケア《8》緊急時の搬送先《9》予約や施設変更の期限―です。

「理想は自宅から30分以内。遠くても1時間以内」と高室さん。陣痛が始まった時のほか、妊娠36週以降は週1回通院します。評判は口コミに加え、施設見学や母親教室で雰囲気を知ることができます。「感染症予防のため見学を断られても、対応の良しあしは判断材料になります」。費用は施設やケースごとに異なります。出産する時間帯、途中で医療行為が必要になった場合など人それぞれです。「豪華な祝い膳も母乳への影響はどうか、自分に必要なものか考えましょう」

出産方法もそれぞれです。自然分娩は初産だと平均12~16時間です。いきむのが早すぎると疲れ果てたり産道に裂傷が生じたりするので、痛みを逃して子宮口が開くのを待ちます。無痛分娩は設備や技術が必要で、実施できる病院が限られています。痛みの度合いや麻酔による影響など、正確な情報を得ることが大切です。

産後については、母乳やミルクの与え方などがポイントです。「妊婦健診に行った際、病院などの待合室に産後1カ月健診の人がいたら話し掛けてみて。その施設での出産について経験談が聞けるかも」。産後ケアは札幌市内では助産院のほか病院にも広がっています。

妊娠が確定したら予約期限を確認します。入院設備がない医院などでは、分娩施設の紹介があるのか、自分で探すのか聞くと良いでしょう。「施設が自分に合わないと感じたら、28週くらいまでには他のところを探して。元の施設が紹介状を出してくれます」

これらのポイントを押さえ、出産時をどう迎えたいのか、家族で話し合うことを高室さんは勧めます。母親が1人で頑張りたいのか、家族で立ち会いたいのか。音楽や香りなどリラックスできる環境は。「楽しく出産について学びましょう」

取材・文/山田芳祥子(北海道新聞記者)

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