連載コラム「井澤綾華の働くママごはん」第46回
雪かきも野菜作りの鍵 自然と闘い ハウス守る
私たちの農園がある空知管内栗山町のお正月は、元日こそ穏やかでしたが、3日から5日にかけて大雪となりました。家族は雪かきに忙しく、私は子どもたちと見守りながら「ビニールハウスが壊れるのではないか」とハラハラしていました。井澤農園は無事でしたが、各所で大雪による被害があったようです。お見舞い申し上げます。
北海道では、雪かきが営農の重要な鍵となります。例えば、水稲農家はビニールハウスのビニールを取り払って冬を越します。一方、わが家はタマネギと花の育苗をするため、年中ビニールを張ったままのハウスが何棟かあります。大雪が降るとハウスの上に雪が積もり、限界を超えたらいとも簡単に鉄骨ごとつぶれてしまうのです。大雪となれば、雪かきを休むわけにいかず、昼夜を問わず続けることも。まさに自然との闘いになります。
大きなハウスがつぶれると、鉄骨やビニールの損害額が1棟当たり数百万円に上るのに加え、春以降に植える苗を育てる場所の確保に頭を悩ます羽目になります。毎年、営農計画を立ててから苗作りを行うのですが、北海道は雪解けから積雪までの1シーズンが短く、スタートが遅れたら農作業のスケジュールが少しずつ狂ってしまいます。
農家が雪かきをする時、自宅の他、6棟あるビニールハウス周りなど広範囲に及びます。労力をかける上に、大きな除雪機を何台も動かすため、燃料代も相当必要です。農家の夫と結婚する前は、農産物の栽培と販売の時期に頑張っていることはもちろん分かっていました。今は、食料の安定供給のため、冬も体を張っていることを実感しています。
家の周りには大きな雪山が何個も出来上がりました。子供たちは、山登りやそり遊びをして大喜びです。
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