妊産婦のSOS 支援強化 道、札幌に無料相談所 「電話ですぐ駆けつける」
道は、予期せぬ妊娠や出産で悩みを抱える妊産婦向けの無料相談所「にんしんSOSほっかいどうサポートセンター」(札幌市東区)を開設した。道内で乳幼児の遺棄・放置事件が相次いだことを受け、支援体制を強化。委託先の社会福祉法人が公的機関が閉庁となる夜間や休日に直接対応し、電話でも相談を受ける。
発達障害の子どもらを支える社会福祉法人「麦の子会」(札幌市)が1日から運営を始めた。助産師や保健師の資格を持つ相談員約20人が交代で常駐し、相談に応じる。病院への付き添いや生活保護の申請、特別養子縁組の申し立てなども手伝う。
道内では6月、千歳市のJR千歳駅のコインロッカーで乳児の遺体が見つかり、20代の母親が死体遺棄容疑などで逮捕された。釧路市では同月、2歳と生後4カ月の兄弟が自宅に半日以上放置される事件が発生。5月には石狩管内当別町の民家に親が育てられない乳幼児を匿名で預かる「赤ちゃんポスト」が開設され、道が安全確保ができないとして運営自粛を求めている。
乳幼児を巡る問題が立て続けに表面化したことで、道は「支援に結びつかない親子を拾い上げる施策の強化が必要だ」(子ども子育て支援課)と判断。各道立保健所などで平日の開庁時間のみ対応していた相談体制の拡充を決めた。
センターの田中佳子所長は「お金がなくても、家族に妊娠を伝えていなくても大丈夫。電話さえくれたらすぐに駆けつけます」と語る。
センターは札幌市東区北35東9の西尾記念ビル3階にあり、平日午後5~11時、土日祝日午前9時~午後11時に開設。
電話(080・4621・7722)は24時間通じる。メール(ninshin-sos@muginoko.com)も受け付ける。
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