年末年始、子どもの発熱どう判断すれば? 生後3カ月未満はすぐ受診を

写真はイメージ(kouta / PIXTA)

年末年始は、休診する病院が多く、子どもの発熱で医療機関を受診するか、自宅で療養するか、判断に迷う保護者は少なくないでしょう。発熱時など受診の目安となる症状や、家庭での備えについて専門家らに聞きました。

嘔吐や下痢、高熱続く子も
解熱剤、経口補水液 備えを

「かかりつけ医が休診になるので、年末年始に熱が出たら心配」と、札幌市東区の会社員日熊(ひのくま)みさとさん(32)は話します。今年は仕事で帰省せず、1歳4カ月の長女と自宅で過ごすため、解熱剤や新型コロナウイルスの抗原検査キットなどを自宅に用意しているといいます。

道内の医師や保育園長らでつくる北海道保育保健協議会の前会長で小児科医の渡辺一彦さん(71)は「今冬は、コロナとインフルエンザの同時流行も懸念されます。年末年始に受診できる病院を調べておくほか、家庭での療養に備えて解熱剤や、水分と塩分などを補給できる経口補水液などの用意を」と呼び掛けます。

渡辺一彦さん

渡辺一彦さん

発熱した際の受診の必要性=図①参照=について、渡辺さんは「生後3カ月未満の場合、症状が悪化しやすく、風邪より重篤な病気の場合もあるため、すぐ受診を」と強調。3カ月以上の子どもは、①意識がしっかりして機嫌がいい ②食べたり飲んだりできる場合は「緊急性は少ない」と説明します。

ただ、ぐったりしていたり、半日以上、食べたり飲んだりできない場合、嘔吐(おうと)や下痢、せきなどの症状が重い場合は受診を勧めます。自宅療養中に解熱剤の効果がなかったり、高熱が3~4日続いたりする場合も受診が必要です。

子どもの発熱時の相談先や受診までの流れ

発熱した場合、コロナに感染している疑いもあるため、直接、医療機関を受診せず、かかりつけ医または北海道新型コロナウイルス感染症健康相談センター(札幌、旭川、函館、小樽は各市の保健所)へ電話で相談しましょう。

道感染症対策局は「年末年始は、医療機関の休診が増える上、帰省で人の動きが活発になるので、感染症拡大に注意してほしい。発熱などの症状が気になれば、無理せず、早めの相談を」と促します。

迷ったら電話相談も可能

発熱に限らず、子どもの急病やけがなどで受診に迷った場合は、電話相談やネット上で受診判断の目安を知ることができます=図②参照=。北海道小児救急電話相談では、短縮番号「#8000」にかけると、受診の必要性を看護師に確認できます。日本小児科学会などが監修する情報サイト「こどもの救急」は、生後1カ月~6歳を対象に、発熱のほか腹痛ややけどなどの症状別に、受診するかどうかの助けになる情報を示しています。

相談先

自宅療養の備えについて、道地域医療課は「数日分の水や食料、常備薬、使い捨てゴム手袋や消毒液などの用意を」と勧めます。小児科医の渡辺さんは室内の環境も大切とし、「できれば1時間に1回、5分でも換気をして、室温は24~26度、湿度は40~60%に保つよう調整して」とアドバイスしています。

取材・文/田口谷優子(北海道新聞記者)

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