PTA 理不尽?モヤモヤ? 活動の意義は

札幌市内の書店で販売されていたPTAに関する書籍

札幌市内の書店で販売されていたPTAに関する書籍

学校などに通う子どもの保護者と教員でつくるPTA。仕事と活動の両立などに負担を感じ、敬遠する保護者も少なくないでしょう。新型コロナウイルス禍で、集会やイベントなどの活動が制約されたことを機に、活動を見直す動きも出ています。PTA活動の意義について考えました。(報道センター 田口博久)


札幌市内の書店をのぞくと、PTA関連の書籍も多く並んでいました。「理不尽」「モヤモヤ」「トリセツ(取扱説明書)」「不要論」などといったタイトルが目を引きます。

設置、参加は任意

PTAはペアレント(親)、ティーチャー(教員)、アソシエーション(組織)の略です。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)により、日本に取り入れられ、全国に広がりました。社会教育法に基づく「社会教育関係団体」で、多くの学校にあります。でも、法律で設置が義務付けられているわけではありませんし、保護者が入るかどうかも自由です。

学校単位のPTAは、学校の行事の紹介記事などを載せたPTAの広報誌の発行、講演会の企画、通学路の危険箇所の点検…などなど、さまざまな活動をしています。コロナ禍で学校の消毒作業や清掃に協力するケースもあります。

 小学校のトイレを清掃するPTA会員の保護者

 小学校のトイレを清掃するPTA会員の保護者

PTA活動の負担に関する議論が2000年ごろから目立つようになり、2008年に東京都の中学校で民間出身の校長がPTAを廃止。2016年には政府の会議で、タレントの菊池桃子さんが「任意にも関わらず、全ての者が参加するような雰囲気づくりがなされている。働くお母さんたちにとっては、PTA活動っていうものが難しい」などと発言し、ネットなどで支持の声が上がりました。

札幌市北区の主婦(43)は「保護者向けの子育てに関する学習会はためになるし、役立つ活動は多いと感じている」と話す一方で「PTA入会時に特段、意思確認はなく、いつの間にか入らされていた印象」と話します。PTAの事情に詳しい加藤薫・文化学園大教授によると、PTAに入るかどうかは自由ということが、負担に関する議論などを通じて以前よりは浸透してきて、PTAに参加しない選択をする保護者もいるといいます。ただ、そうした保護者が「親ならやって当然なのに」「例外的なこと」などと、他の保護者などの厳しい視線にさらされるケースもあるようです。

そうした中、PTA活動が、コロナ禍で制限されたことで、必要な活動など、PTAのあり方を改めて見直す動きも出てきています。

PTAを廃止

北海道南部にある檜山管内厚沢部町内の全4小中学校のPTAは、3月末で廃止されました。保護者と教職員の負担軽減が目的で、各校は教職員を除いた「保護者の会」に移行、各学校のPTAで構成する厚沢部町PTA連合会(町P連)も解散しました。

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