ママ友宅訪問はルール決めて マスク着用緩和で子ども同士の交流増

写真はイメージ(maroke / PIXTA)

新型コロナウイルス禍で乳幼児を連れて友人宅を訪ねるのを控えた家庭は少なくありません。道内の新規感染者数が減少し、感染対策のマスク着用ルールが3月13日から緩和されました。改めて、子連れの訪問や子ども同士で互いの家を訪ねる時はどんなことに気をつければ良いのでしょうか。感染対策やマナーについて、親たちや専門家に聞きました。


「子どもがマスクを外して遊べるようになって、よかった」。札幌市西区のデザイナーで、10歳と保育園に通う6歳の男児を育てる大石絵梨さん(40)はそう喜びます。コロナ禍では、子育てを通じて知り合ったママ友の家に子連れで上がるのをなるべく控えてきました。わが子はそのうち、子どもだけで互いに友達の家を遊びに訪ねる年齢に。「すっかり兄弟だけで遊ぶことに慣れてしまい、ちょっと心配でしたが、だんだんお友達とも遊びたがるようになってきました」と話します。

人間関係を学ぶ良い機会に

幼稚園や保育所などでの集団生活を離れ、自宅などでよその子どもと遊ぶことは大事です。札幌国際大短期大学部教授で発達心理を専門とする深浦尚子さん(62)は「少人数で親密なコミュニケーションがとれ、人間関係を学ぶ良い機会になります」と説明します。

深浦さんによると、少子化に加え新型コロナの流行で、子ども同士が遊ぶ機会が減り、親と遊ぶ家庭が増えました。親は子どもの思いをくみ取りますが、子ども同士では、主張がぶつかり思い通りにいかないこともあります。「そんな時こそ、感情をコントロールする力を身につける機会になります」と話します。

幼児期に子ども同士で遊ぶ経験を

さらに、小学生になると、習い事を始める子どもが増え、遊ぶ機会が減ります。このため、「幼児期に子ども同士で遊ぶ経験を積むことは大切」と勧めます。

多くの親が子どもの発達への影響に気をもむ中、マスク着用ルールが緩和されました。道保健福祉部によると、2歳未満のマスク着用については推奨しておらず、2歳以上の未就学児については「基本は個人の判断」としています。

道の新型コロナウイルス感染症対策本部は、新規感染者数は昨年11月中旬をピークに減少傾向にあるとみます。3月は異動期のため増加に転じる地域もありますが、新規感染者数は「今後、横ばい傾向が続くことが見込まれる」とします。

帰宅時間は事前に話し合う

大人、子どもともよその家を訪問する時の注意点としては、①体調が悪い時は訪問しない②手洗いや屋内の換気をする③高齢者など重症化リスクの高い人がいる場合はマスク着用を検討することーが大切といいます。

子連れで友人宅を訪問するなら、訪問する側、迎える側ともそれぞれ、親の気遣いが大切です。札幌の一般社団法人「hug cafe club(ハグカフェクラブ)」代表、山口真規子さん(38)は、10歳、7歳、5歳の子どもを育てながら育児イベントなどを主宰しています。コロナ禍でも、感染対策を行った上で、少人数に限定し、ママが子連れで交流できるイベントを開いてきました。ママ友宅の訪問については「訪問先でのマスク着用をどうするか、そして、帰宅時間などについて、事前に親同士で決めてほしい」と求めます。

札幌市内の自宅を遊びに訪れた子どもたちにお菓子を振る舞う山口真規子さん

札幌市内の自宅を遊びに訪れた子どもたちにお菓子を振る舞う山口真規子さん

食器に名前シールを

コロナ対策が長期に及び、そもそも子連れでの訪問が未経験という親もいるでしょう。客を迎える側の気遣いについて、整理収納アドバイザーで、8歳と5歳を育てる梶木明希子さん(39)=札幌から今月転居し、東京都在住=は、使い捨ての皿やコップを用意し、「取り違え防止のため、名前を書いたシールを貼ると感染対策にもなります」と提案します。部屋の安全対策としては、①乳幼児が口に入れると危ないものは手の届かない場所に置く②つまずかないよう床に物を置かない③窓やドアを1人で開けたり、階段など危ない所に近寄ったりさせない―といったことを呼び掛けています。

取材・文/田口谷優子(北海道新聞記者)

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