産科空白地域の妊婦、オンライン健診 小樽協会病院、余市の病院で実施「負担軽減に」

妊婦のオンライン健診で使用するモバイル測定機器。腹部にバンドで固定して使われ、医師が胎児の心拍数などを確認できる(メロディ・インターナショナル提供)

小樽協会病院(市住ノ江1)が、産婦人科医がいない余市町で情報通信技術(ICT)を活用した妊婦のサポートを行っている。おおむね14回ある妊婦健診のうち3回を系列の余市協会病院で行い、羊水量や胎児の心拍数などを小樽協会病院の医師がオンラインで確認。妊婦健診のため約20キロ離れた小樽まで通う回数を減らし、「産婦人科空白地域」の妊婦の負担を軽くしている。

対象は、余市町在住で母胎とも比較的安定している妊娠24~35週の妊婦。余市協会病院に派遣された助産師が、妊婦の腹部に手のひら大のモバイル測定機器を取り付けることで、医師の確認が必要な羊水量などの数値を小樽協会病院でもリアルタイムで見ることができる。

設置のきっかけは、来店した母子の赤ちゃんが途中で泣き出し、母親が周囲の客に気を使い、料理を食べずに帰ったことだった。店主の川崎ゆかりさん(57)は「親たちが子どもを目が届く範囲で遊ばせながら、ゆったりできる場をつくりたかった」と話す。

昨年12月中旬には幼稚園児とその親計12人がキッズスペースでクリスマスパーティーを開き、楽しい時間を過ごした。参加した阿部沙織さん(35)は「誰かの家に集まると、その人の負担が大きくなってしまう。他のお客さんを気にせずにぎやかにできるのはうれしい」と話していた。

利用した親からは「カフェに行くのを諦めていたので、ありがたい」などの声が寄せられている。川崎さんは「これからも子育て世代のサポートを続けたい」と力を込める。問い合わせは同店(電)0134・61・1428へ。(久慈陽太郎)

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