「こども誰でも通園」函館で試行開始 保護者「育児の負担軽く」 保育士不足懸念も

認定こども園高丘幼稚園に子どもを預ける保護者ら=4月1日

認定こども園高丘幼稚園に子どもを預ける保護者ら=4月1日

親が就労しているなどの要件を満たさなくても子どもを預けられる「こども誰でも通園制度」の試行的事業が4月1日、函館市で始まった。子育てに追われる保護者からは好評な一方、施設側からは保育士不足などの不安の声も出ている。函館市は本格実施を前に課題を洗い出す考えだ。

対象は市内在住の生後半年~3歳未満の子ども。保育園など5施設で月10時間を上限に無料で利用できる。

3歳未満の未就園児を預けるには現在、親が仕事や介護で育児が難しいなどの要件を満たす必要があるが、新制度では「育児で疲れがたまった」など理由を問わず利用できる。親の育児負担軽減などを図るため、こども家庭庁は2026年度に本格実施する予定。本年度は全国約150自治体で試行的事業を行う。

認定こども園高丘幼稚園では1日、2人の保護者が同制度を利用した。4歳の長男が通う同幼稚園に、生後11カ月の長女を預けた人見町の細川未来さん(33)「2人目が生まれてから付きっきりだった。有料老人ホームに入居している祖父母との面会や、手が付かなかった家事に時間を使いたい」と話した。

同幼稚園には16日までに14人が利用を申請している。新たな園児を受け入れる度にアレルギーの有無などを聞き取るために個別に保護者とオンラインで面談を行うほか、新しい環境に慣れるまで他の園児と別の保育室で過ごしてもらう必要などがあるという。

桜井雅美園長は「保育士不足の状況でどこまで対応できるか不安もある」とした上で、「保護者が必要としている事業。現場の声を反映した、よりよい制度になるよう協力したい」としている。

希望者は市に利用者登録を行った上で、各施設に申し込む。問い合わせは市子どもサービス課、電話0138・21・3270へ。

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