【11月:親子で楽しむ暮らし歳時記】七五三や紅葉狩り、旬の食べ物など、知っておきたい行事や雑学を紹介

「七五三」や「いい夫婦の日」など、家族イベントで盛り上がろう!
朝晩は肌寒さが感じられ、冬の訪れを思わせる日がだんだんと増えてきましたね。11月は、「文化の日」「勤労感謝の日」と祝日が多く、お子さんにとっても、お母さんお父さんにとっても大切なイベントの1つ「七五三」も控えています。空気が乾燥し、のどや肌の不調も出やすい季節です。気温差で体調を崩さないよう、栄養バランスの取れた食事や服装などにも十分注意し、家族の思い出をたくさん作ってください。

11月の「知る」:年中行事・記念日・雑学など

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季節の移り変わりを知らせるサイン「二十四節気」

二十四節気

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、太陽の動きをもとに1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたものです。季節を表す24の言葉で構成されており、日本では昔から四季折々の楽しみや年中行事、農業などの目安として、生活に役立ててきました。

二十四節気を知ることは、忙しい毎日の中で忘れがちな“季節の恵み”を思い出すきっかけにもなります。ぜひ、お子さんと一緒に季節の移り変わりを感じるひとときをもってみてください。

撮影:​加​藤​哲​朗​

●立冬(りっとう=11月8日)
└日中の日差しが弱くなり、日暮れも早くなる

暦の上では冬の始まる日。冬の季節の始まりという意味。この時期の、春を思わせるような暖かく穏やかな天気を「小春日和」といいます。公園などでは、樹木の「冬囲い」作業が始まり、各地で冬支度が本格化します。朝晩の冷え込みだけでなく日中の日差しも弱まり、冬の様相が色濃くなってきます。
(11月8日〜11月21日頃)

●小雪(しょうせつ=11月22日)
└冷え込みが厳しくなり、雪がちらほら舞い始める

冷え込みが一段と厳しくなり、雪がちらつき始めるころという意味。それほど多くない雪であることから「小雪」というようになったそうです。青空の中、初冬の風にひとひらふたひらと舞う雪を「風花」と呼びます。西高東低の冬型の気圧配置が強まり、道内では一晩で雪景色に変わることも。
(11月22日〜12月6日頃)

11月の祝日は「文化の日」と「勤労感謝の日」

画像出典:Hakase / PIXTA

日本の文化に触れ、親子で親しむ「文化の日」

1948年に「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という趣旨のもと、国民の祝日として制定されたのが11月3日の「文化の日」です。11月3日は、もともと「明治節」という祝日(明治天皇の誕生日)で、広く国民に知られていたことから、新たに祝日を定める際にそのまま祝日として残り、それが「文化の日」になったのだとか。

最近では、美術館や博物館で「文化の日」にあわせて無料開放を実施しているところもあります。ぜひお子さんと、“日本の文化に触れる日”として親子で満喫してくださいね。

画像出典:takeuchi masato / PIXTA

ありがとうの気持ちを伝え合う「勤労感謝の日」

「文化の日」同様、11月23日の「勤労感謝の日」も1948年に制定された、国民の祝日の1つ。令和以降、天皇誕生日が2月23日になったことから、「勤労感謝の日」が年内最後の祝日となりました。その名の通り、“働いている人へ感謝する”ことだけが目的だと思いがちですが、本来は「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝し合う日」として定められた祝日です。

また、戦前は「新嘗祭(にいなめさい)」という名の祭日で、収穫物への感謝と豊作への願いを込めて執り行われていた宮中行事だったのだそう。11月23日は、いつも働いている人に感謝するだけではなく、食への感謝やお互いに感謝し合うことも忘れない日にしたいものです。

「児童虐待」への関心を高め、理解を深めよう

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毎年11月は「児童虐待防止推進月間」です。シンボルマークは「オレンジリボン」で、児童虐待防止のため、全国各地で講演会や街頭での呼びかけ、店頭でチラシやポスターを設置するなどの取り組みが積極的に行われます。

子育ては、楽しいことばかりではありません。思い通りにいかないことや辛い思いをすることも山ほどあると思います。しかし、虐待によって子どもが命を落としたり、心に傷を抱えたりすることはあってはならないこと。子どもたちの未来が笑顔でいっぱいになるように、いま一度子どもとの関わり方を見つめ直してみるのもいいかもしれません。

11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間」

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みなさんは、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」という病気を知っていますか。SIDSとは、元気だった赤ちゃんが何の前ぶれもないまま、睡眠中に死亡してしまう病気です。生後2カ月から6か月の赤ちゃんに多く発症するといわれ、乳児期の死亡原因第4位となっています。2022年には、47人もの赤ちゃんがSIDSで命を落としたそう。

また、SIDSは、 12月以降の冬期に発症しやすいことから、こども家庭庁では毎年11月を「乳幼児突然死症候群対策強化月間」とし、多くの方にこの病気を知ってもらい、関心を持ってもらうため、うつぶせ寝を避けるなど発症率を下げるポイントを重点的に呼びかけています。SIDSで命を落とす赤ちゃんが1人でも少なくなるよう、みなさんもできることから始めてみてください。

夫婦の時間を大切に「いい夫婦の日」

画像出典: 北村笑店 / PIXTA

11月22日は、「いい夫婦の日」。はじまりは意外にも古く、1988年に提唱されたのだそう。

夫婦やカップルに今よりもっと素敵な関係を築いていってほしいという思いから始まり、今では全国でボウリング大会が開催されたり、川柳コンテストを実施したりするなど、ユニークなイベントが多数開催されています。いつもは照れくさくてなかなか…という方も、この機会に自分の思いや感謝の言葉を伝えてみては?

七五三の由来、知ってる?

子どもの成長を祝い、感謝する「七五三」は、江戸時代から伝わるといわれる日本の伝統行事。そもそもの由来は、平安時代までさかのぼります。

子どもの死亡率が非常に高かったこの時代、公家において行われていた3つの節目の儀式が由来となっているそうで、その1つ目が3歳での「髪置きの儀」。平安時代では、病気の予防や衛生面から、3歳くらいまでは男女ともに丸坊主で育てるという習わしがありました。そして、3歳の春頃に子どもの成長や健康を祈って「髪置きの儀」を執り行い、はじめて髪を伸ばすことができたのだそうです。

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2つ目が5歳で行われる「袴着(はかまぎ)の儀」です。これは、5~7歳の男の子が羽織袴を身に着けることで、幼い子どもから少年になるという意味合いがあったのだとか。3つ目は7歳での「帯解(おびとき)の儀」。付け紐を使って着物を着ていた女の子が、はじめて本式の帯を締め、一人前として認められるというお祝いだったのだそうです。

今では、毎年11月15日が「七五三」として知られていますが、必ずこの日にお祝いしなければいけないという決まりはなく、北海道では10月に行う家庭も多いです。兄弟の卒業や入学と一緒にお祝いしたり、混雑時期を避けてお参りしたりするという話もよく耳にします。ご家族でよく話し合って決めるのがよいでしょう。

また、写真撮影や着付け、ご祈祷は、早めの予約がおすすめ。フォトスタジオなどでは、毎年4月頃から七五三のキャンペーンを実施ししているところが多数あります。当日はお参りだけで、写真撮影は事前に済ませておくのも一つの手。「七五三」は、子どもにとってなかなか味わうことのできない貴重な体験です。素敵な1日になるよう、事前の準備をしっかり行うようにしましょう。

11月に気をつけたい体調管理
季節の変わり目は「寒暖差アレルギー」

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1日の気温差が大きくなるこの季節、くしゃみが止まらなくなったり、鼻水や鼻づまりがひどくなったりという方は多いのではないでしょうか。もしかしたら、それは「寒暖差アレルギー」かもしれません。似た症状として、風邪やアレルギー性鼻炎が挙げられますが、その原因や症状には少し違いがあるようです。

寒暖差アレルギーは「血管運動性鼻炎」と呼ばれるもので、原因はまだ明らかにはなっていないそうですが、1つの要因として急激な温度差による“自律神経の乱れ”が関係しているといわれています。季節の変わり目などで、温度差が7度以上になると発症しやすいとされ、主な症状は、無色透明のさらさらとした鼻水や鼻づまり、鼻のむずむずやくしゃみです。

大切なのは、ストレスを溜めないことと、温度調節をすること。気になる症状があるという方は、耳鼻科を受診するとよいでしょう。

11月の「つくる」:親子で工作マジックに挑戦!

寒くなるにつれて増えてくるおうち時間は、退屈せずに楽しく快適に過ごしたいもの。 そこでおすすめしたいのが「工作マジック」です。

お菓子の空き箱で作った、楽しいおもちゃや子どもたちをアッと驚かせるマジック道具をインスタグラムで紹介している「ケイティタックマン」こと琢磨和美さんに、親子で楽しめるお菓子箱工作を3つ教えてもらいました。

11月の「学ぶ」:星空・月、昆虫、花・植物など

11月の星空:「木星」が見ごろ

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11月になり、徐々に肌寒く感じるようになってきました。そんな11月の夜空でひと際輝いて見えるのが木星です。11月3日には、太陽・地球・木星がまっすぐ並ぶ「衝(しょう)」を迎え、一晩中肉眼でも見えるほどの明るさなのだそう。11月25日には、月が木星に接近するところを見ることもできます。日の入り後30分頃、月のすぐ下を探すと、明るく輝く木星を観察することができますよ。

11月の月:満月は「ビーバームーン」

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満月は、月に一、二度夜空に輝きます。その満月には、1月から12月まで月ごとにそれぞれ呼び名があり、11月の満月は「ビーバームーン」と呼ばれています。

その名前の由来は、アメリカの先住民が冬を越すために必要なビーバーの毛皮を手に入れるため、11月になると罠を盛んに仕掛けていたからという説や、越冬するためにビーバーが盛んに巣作りをする時期だからという説など、諸説あるそうです。

今年のビーバームーンは、11月27日。ぜひチェックしてみてくださいね。

11月の昆虫:昆虫食としても注目される 「コオロギ」

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かわいらしい鳴き声で、秋の訪れを感じさせる「コオロギ」。バッタ目(直翅目)キリギリス亜目(剣弁亜目)に分類される昆虫の総称で、主に石の影や草むらに生息しています。日本では、「エンマコオロギ」「ミツカドコオロギ」「オカメコオロギ」「ツヅレサセコオロギ」などが代表種とされ、その飼育のしやすさからペットとしても人気。

また、コオロギは高い栄養価と、環境への負担の少なさという点で、昆虫食の原料としても注目され、近頃は、コオロギを使ったお菓子などが販売されています。

11月の花・植物:紅葉狩りで身も心もリフレッシュ

画像出典:月は東に日は西に / PIXTA

今年の秋は、全国的にやや気温が高くなると予想され、その影響から紅葉の見ごろも平年並みか、少し遅くなるといわれています。

道内では、香雪園(函館市)、大沼公園(亀田郡七飯町)、鳥崎八景(茅部郡森町)、歌才ブナ林(寿都郡黒松内町)、北海道大学のイチョウ並木(札幌市)など、11月上旬でも紅葉を十分楽しむことができるスポットがあります。

モミジやカエデ、イチョウなど、鮮やかに色づいた葉が身も心も癒やしてくれるはず。ぜひ足を運んでみませんか。拾ってきた落ち葉でおうちの飾り付けを楽しむのもおすすめですよ。

11月の「食べる」:旬の食材とレシピ

秋から冬への移行期である11月は、秋の食材と冬の食材を楽しめる時期です。野菜なら馬鈴薯(ばれいしょ)、ゴボウ、長イモ。魚はシシャモ、カキ。果物であれば、ラ・フランス(洋なし)、ザクロ、キウイフルーツなど。旬の食べ物は栄養価が高くて美味しいので、積極的に食べましょう!

シャキシャキ食感がたまらない、旬の長イモ

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長イモの旬は年に2回あり、11月初旬から12月に収穫されるものを「秋掘り」、3月から4月に収穫されるものを「春掘り」といいます。

今の時期に店頭に並ぶ「秋掘り」と呼ばれる長イモは、皮が薄くシャキシャキとしたみずみずしさが魅力。浅漬けなどで食べるのがおすすめです。

栄養価も高く、消化を助けるアミラーゼという酵素が含まれており、胃をいたわる効果も期待できるといわれています。

11月の「遊ぶ・体験する」:11月30日ココノススキノがオープン

画像出典:プレスリリースより

札幌市中央区のススキノラフィラ跡地で建設していた複合商業施設「ココノススキノ」が11月30日、開業します。地上18階地下2階で高さは旧ラフィラの2倍以上もあり、北海道最大の屋外ビジョンを備えています。ススキノの印象を変えるランドマークになりそうです。

30日の1次オープンでは北海道初導入のドルビーシネマ上映を楽しめる映画館「TOHOシネマズ すすきの」のほか、北海道初出店を含む飲食店や物販店など計52店がオープンします。大型店ではコスメ&ドラッグストア「アインズ&トルペ」が札幌市内最大級の店舗を出店し、食品スーパー「ダイイチ」が地下2階に出店します。

2~3階に屋外広場「ココノテラス」、3階に屋内広場「ココノスクエア」が設置されます。テイクアウトした食べ物を味わったり、お出かけの合間に休憩したり、重宝しそうです。

建て替え前に地下鉄南北線すすきの駅との出入口付近が「ロビ地下」「ラフィ地下」の愛称で親しまれた歴史を踏まえ、地下2階から地下1階に待合スペースがつくられました。ゆったりと座ってくつろげるようになっています。「ココ地下」と呼ばれる日も遠くなさそうですね。

上層階のホテルは来年1月16日開業で、全面開業は来年1月末以降になる見通しです。


おすすめのイベント情報はこちらでチェック!(随時更新中)
https://mamatalk.hokkaido-np.co.jp/event/

北海道新聞デジタルの「イベント情報」では、カテゴリ、エリア、キーワード、日付別に検索することも可能です。
https://www.hokkaido-np.co.jp/event/


※長イモに関する記事:記事初出時、粘り成分として「ムチン」について記述していましたが、2020年7月30日に「食品工業辞典(日本食品工業学会編、昭和54年第1版発行)」の用語解説の訂正において、「ムチンは動物性成分である」と整理されたため、削除しました。

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