七五三、コロナ前のように家族みんなでお祝い

七五三を祝う家族連れでにぎわう北海道神宮=10月8日

七五三を祝う家族連れでにぎわう北海道神宮=10月8日

七五三の季節を迎え、神社や写真スタジオなどでお宮参りや写真撮影を行う家族連れの姿が目立つようになりました。一昨年や昨年は新型コロナの影響がありましたが、感染状況が比較的落ち着いた今年は、コロナ前のように家族みんなで祝う形が復活しつつあるようです。

成長した姿、祖父母にも 一緒に参拝や記念写真

秋晴れの10月8日、札幌市中央区の北海道神宮。晴れ着姿の子どもを連れた家族が参拝を済ませ、晴れやかな顔で記念撮影する光景があちこちで見られました。

札幌市北区の三浦亮太さん(36)と加奈子さん(36)夫妻は、長女凛々奈(りりな)さん(7)と次女明日奈(あすな)ちゃん(4)の七五三と、長男奏太(そうた)君(10)の「2分の1の成人式」を兼ねて参拝。加奈子さんの両親も一緒に境内で写真を撮りました。

「家族一緒のお祝いだから、大切にしたい」と亮太さん。これまでも七五三参りを行っているそうで、今回のお祝いも「かなり前から決めてました。記念写真も(料金の安い)6月に早撮りしました」と、加奈子さんは説明します。

晴れ着を着た子どもたちを中心に撮影に臨む家族=札幌市中央区のスタジオ・アン マルヤマクラス店

晴れ着を着た子どもたちを中心に撮影に臨む家族=札幌市中央区のスタジオ・アン マルヤマクラス店

神宮に程近い商業施設内にある「スタジオ・アン マルヤマクラス店」(札幌市中央区)には七五三を祝う家族連れが次々に訪れ、30分ごとにスタジオ内で記念撮影に臨んでいました。釧路市の西山大輔さん(43)と由佳子さん(42)夫妻は、長女咲梛(さな)さん(7)と次女実梛(みな)ちゃん(3)の七五三を祝いました。札幌市在住の由佳子さんの両親も一緒に撮影しました。

「釧路から来るのは大変でしたが、新型コロナでなかなか会えない中で、成長した姿を見てもらいたくて」と由佳子さん。大輔さんは「この後は晴れ着で神宮にお参りできるので、ここを選びました」と笑顔で話していました。

参拝のピークは10月半ばごろ

北海道神宮によると、最近の七五三は9月ごろから参拝が増え始め、ピークは10月半ばごろ。通常は1時間に2回行う祈祷を1時間4回にするなどして対応します。一方で「本州から転勤して来た方を中心に、11月15日前後の参拝もかなり多い。最近は千歳あめなども一年中用意して備えています」(同神宮)。冬の訪れが早い旭川の北海道護国神社でも、10月中が一番多いそうです。ただ「記念写真撮影の早割がある8月ごろや、数は少ないですが11月に訪れる方もいて多様化しています」(同神社)。

祈祷する際に納める初穂料(祈祷料)は、北海道神宮、北海道護国神社ともいつでも1人5千円です。

七五三の写真撮影は大手写真スタジオの場合、晴れ着などのレンタルや髪のセットが含まれているのが一般的です。札幌などを中心に道内で子ども専門写真館「スタジオ・アン」15店舗を展開する「アクセスアイ」(札幌)は、6月から割安な前撮りキャンペーンを実施。七五三のキャンペーンは12月末まで行います。

街の写真館はきめ細かなサービスで存在感を示します。小樽市の商店街にある「スタジオフォトス」(花園1)は、七五三でも市内の神社や公園などに出向き、地元らしい風景の中で撮影する出張サービスが人気です。写真館の全国コンテストで入賞した同店のカメラマン浜田恭輔さん(27)を指名する人も多いそうです。

取材・⽂/田口谷優子(北海道新聞記者)、和田年正(北海道新聞編集委員)

七五三

子どもの健やかな成長を祈り、祝う伝統儀式。平安時代の宮中行事が起源とされ、江戸期に武家や商人にも広がった。3歳男女の「髪置きの儀」、5歳男児の「袴着(はかまぎ)の儀」、7歳女児の「帯解きの儀」が元になり、3歳の男女、5歳の男児、7歳の女児を連れて、お宮参りに行くのが明治時代から大正時代にかけて定着したとされる。国内では11月15日に行うのが一般的で、冬の早い道内では1カ月前の10月15日に祝うことが多い。

2024
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