【こどもの本棚】ジル・バークレム『野ばらの村のひみつのへや』
今回のテーマは「おうち」
推薦者 沼田陽子さん(帯広市図書館)
木の中の家 細密に描く
絵本に昔から多い題材の一つが、家。沼田さんは「子どもに身近で、安心の象徴でもあるからでしょう」と話し、「野ばらの村のひみつのへや」(ジル・バークレム作絵/出版ワークス)=写真=を薦めます。
今夜、ネズミたちの暮らす野ばらの村では「冬至まつり」があります。プリムローズとウィルフレッドは出し物の詩の暗唱を練習するため、物置へ。そこで小さな鍵と扉を見つけます。
登場するのは樫(かし)の木の中に広がる家。物置のほか広間や子ども部屋、風呂場などを隅々まで細密に描いています。
英国の田園地帯を舞台に、1980年に出版が始まったロングセラーシリーズの一冊。日本では2021年から、翻訳家こみやゆうさんの新訳が出版され、再び注目されています。沼田さんも子どものころ夢中で読んだといい、「懐かしく感じる人も多いのでは」と話します。4歳ごろから。
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(2023年10月17日 北海道新聞帯広・十勝版掲載)
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