連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第53回

#53|宿題をやらない子ども 今日やること一緒に把握

 

最近、相談されて感じることが多いのが、宿題をしない子が増えていることです。宿題に対する考え方は担任の先生や学校によってずいぶんと異なります。画一的ではないということです。これを知っておくことはとても大事ですね。

まず、子どもが宿題をしないのには、理由があります。一つ目は「宿題をする必要がない」と思うパターンです。宿題を忘れて厳しく怒られるなら、子どもは「怒られたくない」から宿題をやります。でも、今は忘れ物をしても学校側で貸してくれる時代です。宿題を忘れても、きつくしかられることはありません。

ただ、ここで忘れてならないのは「怒られはしないが評価には大きく影響してくる」ということです。宿題をしなければ中学校では教科の5段階評価に反映され、高校入試の「内申点」に影響するからです。

そして、宿題をしない理由の二つ目は「宿題をするメリットが見つからない」というパターン。例えば将来の夢があり、そのために成績を上げていきたいと思えば、頑張って宿題や勉強をするでしょう。でも小学生や中学生で将来を見越して勉強するというお子さんはまれです。

やりたい職業もまだ思い浮かばず、行きたい高校もなく、なおかつ宿題自体に必要を感じない場合は、勉強や宿題を済ますメリットを感じません。目の前のゲームやスマホの方に手が伸びてしまいますね。だから「宿題はしっかりとやりなさい」と、親が言ってあげることはとても大事になってきます。

宿題ができない子どもに対しては周囲のサポートが大切です。具体的には「今日やることを一緒に把握する」「丸つけを手伝う」などです。こうしたサポートをすると、少しずつ1人でもできるようになります。夏休みの宿題、まだ手を付けていなければ、まず一緒に宿題を机の上に出してみてはいかがでしょう。

教えてくれたひと

本多抽紀江

家庭教師

家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。

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