連載コラム「井澤綾華の働くママごはん」第52回

時計の針を都会に合わせ 変化意識しのびのび活動

私たちの井澤農園では、畑の植え付け作業が終わったと思ったら、ニンニクやブロッコリー、葉物野菜の収穫が始まりました。わが家の食卓が一気に自家野菜で色鮮やかになったと感じます。

新鮮な野菜は、調理法やスパイスに凝るよりも、だしや素材の味を生かして、必要最低限の調味料で味付けをすることで、体を喜ばせてくれます。ナムルやサラダにしたり、少量のオイルで野菜をコーティングしてからグリルにしたり、コンソメやだしを利かせた汁で煮浸しにしたり…。シンプルな、名前のない料理が最高、だなんて、私も年を取ったのかしら。

一方、うちの子どもたちは、相変わらず鶏肉の唐揚げやカレーライスなど、はっきりした味付けを好みます。シンプルな味の良さは、大人と同じものをお皿にのせて、食べてみるように勧めています。

年月を感じることといえば、先日、生まれ育った札幌に行く機会があり、驚いたことがあります。

建物もまちのシステムも、そこで暮らす人々もビジネスも、私が栗山町に移住するため離れた7年前までとはガラッと変わっていたのです。

確かに、栗山町でも毎年新しいお店ができたり、移住者や新しい取り組みをする人はいます。でも、札幌の時の流れは桁違いに早い! 「世界は日々変わっていっているのだ」ということを実感しました。

田舎にいるとマイペースで過ごせますが、常に都会の時の流れを意識し、情報を入れながら地方でのびのび活動したいなと思います。

地方に住んでいると「変わりたくない、変わる必要がない」という現状維持バイアス(偏った考え方)を感じることも多々あります。そういった地方が「いや応なしに変わっていく社会」に置いていかれるのは当然なのだろうな、としみじみ。時計の針を都会に合わせる機会を設ける努力も必要ですね。

教えてくれたひと

井澤綾華さん

管理栄養⼠

いざわ・あやか 天使⼤(札幌)を卒業後、2016年に空知管内栗⼭町地域おこし協⼒隊員に。17年、町内で農家を営む孝宏さんと結婚。22年1月、3人目の子どもとなる次男が誕生した。フェイスブックで野菜のレシピなどを発信中。札幌市出身。

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