おたるレディースクリニック、分娩対応1月末で終了 院長「体力的に厳しく」

来年1月末で分娩の取り扱いをやめる「おたるレディースクリニック」

小樽市内で分娩(ぶんべん)ができる医療機関の一つ「おたるレディースクリニック」(稲穂4)が来年1月末で、分娩受け入れをやめることが分かった。1人で年平均約300件のお産に対応してきた小林寛治院長(58)は「体力的に厳しくなった」としている。これにより、市内で出産ができる医療機関は小樽協会病院(住ノ江1)のみとなる。

小樽市内で出産できるのは協会病院のみに

2医療機関は主に北後志6市町村(小樽、余市、仁木、古平、積丹、赤井川)の出産を扱ってきた。リスクを伴うお産を受け入れる道の「地域周産期母子医療センター」に管内唯一指定されている協会病院と、クリニックですみ分け。今年5月ごろからは、協会病院と今後の対応について協議しており、協会病院は受け入れ数を増やすため、医師や助産師の増員、病床改修などを急いでいるが、一定の影響が出そうだ。

2004年に開院した同クリニックは、協会病院が15年夏から産科医の退職で分娩の取り扱いを休止した際、再開までの約3年間、市内唯一の分娩取扱機関として奮闘した。同クリニックは今後、妊婦健診や産科、婦人科の外来診療に縮小する。小林院長は「今後も健診などできる範囲で妊婦さんの安心安全に携わりたい」とする。小樽市や周辺自治体、道などでつくる「北後志周産期医療協議会」(会長・迫俊哉小樽市長)にも既に報告した。

市保健所などによると、分娩ができる市内の医療機関は1992年には9カ所あった。市内の出生数は同年の1104人から22年は385人に減っており、小樽市医師会の鈴木敏夫会長は「混乱が起きないように努めたい」と話している。

道によると、7月1日現在、分娩を受け入れている管内の医療機関は市内の2医療機関と倶知安厚生病院の計3カ所。(河田俊樹)

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