連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第52回
#52|字は丁寧に書いた方がいい? 時間かけ上手になろう
日々、勉強について何組もの親子と向き合う中で、とても多いのが「うちの子、字が汚いんです。どうしたらいいでしょうか」という質問です。「そもそもこれからはタイピングの時代だから、字をきれいに書く必要がないのでは」とおっしゃる保護者もいます。しかし、私は「丁寧に書く」というのはとても大事なスキルだと思います。
「漢字の書き順は守らせた方がいいのですか」という質問もいただきます。これは守らせた方がいいです。漢字は小学2年生までに構成するパーツを覚えていきます。「へん」や「つくり」という部分です。このパーツの書き順をしっかり覚えさせておくと、その後の漢字の学習がとても楽になっていきます。
小学校の最初の2年間を気をつければ、高校生までの国語の成績が大きく変わってくることになるので、ぜひ頑張って挑戦してみてください。それから、高学年になるほど「字が汚くなってくる」という問題もあります。これに関しては、「テストの時だけは丁寧に書く」ということを徹底させてください。
近年急増している学習障害の中に「ディスグラフィア」という書字障害があります。これは自分では文字を正確に書いているつもりなのに、うまく文字を書くという動作ができない障害です。ただ、小学校低学年のうちは書字障害なのか、能力的に未発達(鉛筆慣れしていない)なのかは、判断が難しいところもあります。そして「歌が上手、下手」と同じように、字を書くのにも得意な子と得意でない子がいます。
これは、少しずつ丁寧に時間をかけて書くと、徐々に改善していくことも多いです。そして、漢字よりも数字の書き方に気をつけてください。数字はたった10種類しかありません。これを丁寧に素早く書けるというのは、とても重要なスキルになります。
本多抽紀江
家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。
https://pandanoniwa.co.jp/
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