いる?いらない? ママ友・パパ友 mamatalk読者アンケートより

写真はイメージ(zon / PIXTA)

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行したことに伴い、子どもを通じて知り合った「ママ友・パパ友」と交流する機会は徐々に増えてきています。ただ、ママ友やパパ友は子育て情報を交換できる半面、人間関係に気をつかうことも。mamatalkの読者に、ママ友・パパ友の必要性について聞きました。

「必要」65% 情報交換、相談に

「水がしみない長靴はどこで買ったらいい?」。長女(5)と次女(1)がいる札幌市の会社員女性(36)は、保育園の送迎時に知り合ったママ友と育児に関する情報を話し合います。情報はインターネットでも探せますが、子どもの散髪をしてくれる美容室など、ママ友の口コミは「役に立ちます」。育休中は心の支えにもなりました。「家族以外に話す人がおらず、世界が狭かった。ママ友と話す時間があって助かった」と振り返ります。

アンケートは就学前の子どもがいる保護者を対象に、3月24日~4月5日に行い、20~50代の男女178人が回答しました=下図=。「必要だと思う」は116人(65.2%)で、「必要だとは思わない」は61人(34.3%)。回答者のうち男性は5人で、全員が「必要」と答えました。無回答は1人でした。

必要な理由(複数回答可)は「情報交換できる」が107人で最も多く、2番目は「子どもを交えて遊べる」の96人でした。「悩みなどを相談できる」80人、「困った時に頼れる」57人と続きました。

 

人間関係に気疲れも

必要ない理由は「いなくて困ることはない」が39人と最多。次いで「関係に気をつかいたくない」38人、「トラブルを避けたい」25人などでした。

長女(5)と次女(4)が認定こども園に通う石狩市の会社員女性(41)はママ友がおらず、必要性も感じていません。「『壁』を感じながら、気をつかって世間話をするより、自分の時間を大切にしたいです」。懇談会などで他の保護者と話しても、趣味や考えが違うと「友達として付き合えない」と思ってしまうといいます。

ママ友・パパ友を持つメリットについて、藤女子大人間生活学部教授の木脇奈智子さん(61)=家族社会学=は「情報交換だけでなく、子育ての悩みを相談するなど心理的な相互支援も期待できます。子ども同士を遊ばせることで、子どもが感情の機微や多様な価値観を学ぶ機会にもなります」と説明します。

一方、旧知の友人と異なり、ママ友・パパ友とは互いの背景をよく知らないうちから交流することも少なくありません。このため「職業や収入など、個人情報に関わる発言に配慮を」と助言します。

家族以外の話せる人ほしい

mamatalkのアンケートに回答した178人のうち、ママ友・パパ友がいるとしたのは141人(79.2%)でしたが、このうち34人が「必要だとは思わない」と答えました。一方、ママ友・パパ友がいないとした37人(20.8%)のうち、10人は「必要だと思う」としました。

釧路市の自営業下鳥洋美さん(35)は、中学1年生から3歳までの5人の子どもがいます。5年前、道外から夫の転勤で同市内に移り、仲の良いママ友と離れました。その後、子どもを介して知り合ったママ友はいますが、自分と同じように事業を営む女性との付き合いの方が深くなりました。「仕事で知り合った友人は、価値観の似ている人が多い」と理由を説明します。

友達はいないが、必要というのは石狩市の主婦加藤朱里さん(34)。4歳から3カ月まで3人の男の子を育てています。コロナ下では他の保護者と関わる機会が少なく、ママ友をつくれなかったそうです。「日中は子どもだけと過ごしている。おしゃべりできる人もおらず、つらい」と打ち明けます。「家族以外に、気軽に話せる人がそばにいれば」と話しました。

取材・文/田口谷優子(北海道新聞記者)

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