連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第50回

#50|お散歩をしながら理科の勉強 生活の中で新しい発見

胆振管内安平町在住の家庭教師、本多抽紀江さんがおうちでの効率的な学習方法を紹介する連載「ゆきりん先生の親子でおうち学習」。家庭教師歴約30年、多くの子どもと家族に接した経験を生かした家庭学習のコツやアイデアは必見です。ぜひご家庭で実践してみてください。


私には3歳~18歳の生徒がいますが、特に小学校高学年から中学生の年齢のお子さんを教えていると、「20年前の子どもたちなら教えずとも知っていたこと」を、知らない子が増えていることに気づきます。これは、ご家庭でいろいろと工夫するだけで随分と学力に差が出てきます。

まずは理科。お散歩の途中に植物の根には2種類あることを教えてあげましょう。単子葉類はひげ根、双子葉類は主根と側根になっています。ただ、ひげ根は普段のお散歩中に見ることがなかなかありません。でも実は冷蔵庫の中にあります。「ネギ類」は単子葉類なんです。タマネギや長ネギの根を見せてあげましょう。スーパーで「単子葉類だね」と声をかけてもいいですね。小ネギなどは水につけておくと根がどんどん伸びてきます。ひげ根をしっかり観察してください。

東西南北の話もしてみましょう。「太陽はどちらから登ってきて、どちらに沈むのか」。これを暗記してしまう子も多いのです。家庭での普段の体験を通じて知っておくことはとても大切です。おうちの中で、例えば「南向きの窓」について話をしてみてください。

昨今では、天気予報もスマホのアプリで見ることが多く、天気図を見たことがないお子さんがたくさんいます。天気予報も新聞やテレビでチェックして、気圧配置図を見せるように心がけましょう。そしてもう一つ。ご家庭で電磁誘導加熱(IH)コンロを使っているみなさんは、たまにガスの火での調理もさせておくといいですよ。

ご存じのようにIHは炎が出ません。家庭科の授業で、火がついているコンロの奥のものを無造作に取ってしまい、「やけどするのではないか」とヒヤヒヤすることも多いそうです。私たち大人にとっては常識ですが、今の子どもにとっては新しい体験や発見ということはたくさんあります。毎日の生活の中で体験させてあげましょう。

教えてくれたひと

本多抽紀江

家庭教師

家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。
https://pandanoniwa.co.jp/

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