【こどもの本棚】ふくべあきひろ『たべてあげる』

今回のテーマは「好き嫌い」
推薦者 山崎菜摘さん(浦幌町立図書館)

ちょっぴりホラーな食育絵本

食べ物の好き嫌いをしている子はいないでしょうか? 山崎さんは、好き嫌いを減らす手助けとなるような絵本として、「たべてあげる」(ふくべあきひろ文、おおのこうへい絵/教育画劇)=写真=を紹介してくれます。

ピーマンが嫌いなりょうたくん。「だれか かわりに たべてくれないかな~」と思っていたら、コップの陰から小さなりょうたくんが顔を出しました。小さなりょうたくんは「たべてあげる」と、ピーマンをぱくり。嫌な物は全部食べてくれると言うので、以来、りょうたくんは苦手な食べ物を全て、小さなりょうたくんに食べてもらっていました。すると、小さなりょうたくんはだんだん大きくなり始め、さらには、りょうたくんの嫌いじゃない物まで食べるようになってしまいます。

好き嫌いしていた結果、ちょっと怖い展開が待ち受けます。山崎さんは「絵はかわいいのですが、中身はちょっとホラーなんです」と話します。読み聞かせすると、子どもたちは真剣に見入り、泣いてしまう子もいるとか。4歳ごろから。

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「ぜったいたべないからね」
ローレン・チャイルド作、木坂涼訳/フレーベル館

「やきざかなののろい」
塚本やすし作/ポプラ社

(2023年2月28日 北海道新聞帯広・十勝版掲載)

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