連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第48回

#48|家族で楽しむ アイデア次第で子どもの学びに

家族で楽しむ アイデア次第で子の学びに

 

30~40年前と比べると、今の子どもたちを取り巻く環境は多様です。テレビやゲームなど娯楽があふれ、より刺激的なものが次々に提供されていますね。

少し大きくなった私の教え子に、子どものころの思い出を聞いてみました。すると「親と家でやった理科の自由研究が失敗して、もう散々だったけれど、すごく楽しかった」「旅行でどこのソフトクリームを食べるか計画を立てて味や値段を調べたのが面白くて、今でもソフトクリームを食べた後、思わず手帳にレビューを書いている」など、家族と一緒にやったことを挙げる生徒が多いのです。

子どもの記憶は、間違いなく「誰と何をやったか」でつくられているのだなと感じます。

一緒に散歩しながら植物を眺めてみる、同じ果物でも産地が違うと味や値段が違うと、話し合ってみる。「これ、英語で何て言うんだろうね」と調べて、家にある物にスペルを書いた紙を貼ってみる。難しくて嫌いになりがちな勉強が、アイデア一つで身近で楽しいものになることを知ってもらえると、うれしいです。

コロナ禍で旅行や行事の思い出をつくりづらくなって4年目。でも、家族という小さな単位での楽しみは増えています。「何もできなかった。全部つぶれちゃった」と嘆くのか、「家族で面白いことをしたね」と笑顔で話すかで、子どもたちの印象は変わります。

工夫した議事録を書く、地図を描いてみるなど、手を動かすのも忘れずに。子どもは案外、忘れっぽいのです。旅のしおりや一緒に作った料理レシピがあると、記憶を維持できます。

家庭にはたくさん、楽しみながら勉強できる種がある。そんな提案を、これからも指導者として、そして一人の親として考えていけたらと思います。

教えてくれたひと

本多抽紀江

家庭教師

家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。
https://pandanoniwa.co.jp/

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