「乗り入れ授業」で英語力向上へ 蘭越町 幼稚園、全小中高校で連携強化 23年度にも小5も対象に

蘭越小6年生に授業をする蘭越中の英語教諭。児童は中学の授業の雰囲気を一足早く体験した

【蘭越】町は、町内の子どもたちの英語力向上を目指し、英語教育で小中学校、高校や幼稚園、保育所間の連携を強めている。「乗り入れ授業」として中学校教諭が小学校で、高校教諭が小中学校で英語を教えており、成果につなげてきた。新年度にもこれまでの「乗り入れ」対象に小5も加えて全学年に拡大させたい考えだ。

町は2018年度から、国際的な人材の育成と、進学後に円滑に英語の授業に臨んでもらうことを狙い、町内の全小中高校、幼稚園間で連携を始めた。町教委によると、幼稚園も含めた異校種間で一貫した英語教育を行うのは後志管内では珍しい。

乗り入れ授業は、中学校教諭が小6、高校教諭が中3と小学校中学年の授業を年数回担当。1月下旬、蘭越中の部活動や行事を紹介する授業を受けた蘭越小6年の作田健君(12)は「中学生活が楽しみになった。先生の説明が全部英語だったけれど理解できた」と笑顔で話す。

一方、町の外国語指導助手(ALT)と日本人の外国語支援員は、小学校低学年と幼稚園・保育所の園児に英語に親しんでもらう活動を実施。特に小学校低学年は本年度、昨年度の2倍の年間10回に拡大した。新年度は小学5年生も乗り入れ授業の対象とし、町内の全ての子どもをカバーすることを目指す。

町内では、日本英語検定協会の英語能力判定テスト「英検IBA」で、中学卒業時点で英検3級相当以上の学力を持つ生徒が、20年度の3割台から昨年度に5割を超えるなど成果がみられるという。町教委学務課は「校種の垣根をなくすことで次学年への目標を持って学習でき、町全体の英語力の底上げになる」と期待する。

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