論理的思考力が身につく!家族で遊べる「ボードゲーム&カードゲーム」を楽しむコツとおすすめ5選

家族で遊べる「ボードゲーム&カードゲーム」を楽しむコツとおすすめ5選

子どもから大人まで年齢を問わず、みんなで一緒に楽しめるのが魅力のボードゲームやカードゲーム。楽しさだけでなく、遊びながら自然と身につく力や、小さな子どもと遊ぶ時のポイント、おすすめのゲームなどを、小学生を対象にボードゲームを楽しむワークショップなどを開催している「サイコロ塾」代表の財津康輔さんに教えてもらいました。

教えてくれたのは

財津康輔さん

ざいつ・こうすけ 東京大学大学院情報学環特任研究員。大学で「ゲームの社会的活用」について研究しながら、東京都・千葉県にて小学生を対象として、ボードゲームを遊び、学び、作る教室「サイコロ塾」を運営している。「ゲームは人々の幸せにつながり社会を好転させる」を信念に、ワークショップなども開催している。

ボードゲーム&カードゲームを通して、どんな力が身につくの?

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ボードゲームやカードゲームといったアナログのゲームは、家族全員で楽しめるうえに、子どものさまざまな能力を育んでくれます。デジタルゲームとは違う、アナログゲームならではの魅力について財津さんに教えてもらいました。

「ボードゲームで遊ぶことで、何か問題が起こったときに発揮される、解決策を考える力『論理的思考力』が身につくと考えられます。ゲームをやっていくうえで、子ども達はなぜこうなったのかという道筋を追って考え、原因と結果を結びつけて考えることができるようになるからです。さらにカードやコマなどに触れながら遊ぶことで手ざわりを感じたり、サイコロを振ったりカードをめくることで、手先の器用さも高められます」

小さな子どもとゲームを楽しむコツと親の役割

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子どもと一緒にゲームをする上でまず大事なことは、親も真剣に遊ぶことだと財津さんはいいます。 「特に低年齢のお子さんと遊ぶ場合はシンプルなものになると思いますが、大人が子ども用のゲームだからと思って手を抜いては、お子さんもつまらなく感じます。真剣に接することが大切ですね」

子どもにルールを伝えるポイント

ゲームをする際に大事なことの1つが子どもにゲームのルールを伝えること。この伝え方にもポイントがあるそうです。

「ゲームの中でできることと、した結果がどうなるかをお子さんに明確に伝えてあげましょう。例えば『サイコロを振ると、サイコロの出た目の数でコマがこれだけ進めるんだよ』と、子どもができることと、その結果起こることを結びつけてルールを伝えてあげます。これが『論理的思考力』に結びつきます。一方でアナログゲームは、ルールを変えて遊ぶことができるのも良いところです。もし一緒に遊ぼうと思ったゲームが、お子さんにとって対象年齢より少し高く難しいと感じたら、臨機応変にルールを少し変えてみるのも楽しむコツです」

ゲーム中の効果的な声かけ

同じゲームを家族で一緒に遊べるボードゲーム。だからこそ楽しいコミュニケーションタイムを過ごすためには、効果的な声かけも大事な要素になります。

「難しく考えずに、ゲームを進行しながら、親が思ったことをその都度言葉にしてあげるのがいいと思います。『サイコロで3が出たから、1・2・3、コマがここまで進むよ』『●●ちゃんはこう考えたからこうするんだね』など、自分やお子さんがやっていることを言語化してあげて、子どもが『なるほど、そうなのか』と、自然に受けとめられるようにしてあげましょう。親もゲームの中で嬉しいとか悔しいとか思うところがあれば、素直にそれを感情表現していくことも大切です」

負けて機嫌が悪くなったらどうする?

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ゲームにはある程度勝ち負けがついて回るものですが、子どもが負けてしまったとき、機嫌が悪くなったり、癇癪(かんしゃく)を起こしたりすることも。そんなときはどのように接してあげるのが子どもにとって良いのかも気になるところです。

「子どもの年齢によりますが、勝ち負けが分かっているということだけでもすごいと考えましょう。機嫌が悪くなるということは、それだけ負けたことが悔しかったという証です。そんな時はあまりそのゲームを引っ張らないで、子どもが勝てそうな別のゲームに切り替えてあげてください。ゲームをするうえで勝ち負けを教えることも大事なことですが、5歳くらいまではまだそこを理解するまでには至ってないので、負けたら悔しいという感情に親が寄り添ってあげた上で、別のことをして気持ちを切り替えてあげるのがいいでしょう」

ゲーム選びのポイントは?

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海外のものや日本のものなど、種類豊富な中からどのように選べばいいのかわからないという方もいると思います。そんな時の選び方のポイントも財津さんに伺いました。

「低年齢のうちは特にお子さんと視線が共有できるものがいいでしょう。例えば1つのボードを共有して遊び、ボードを見て視線を上げると親の顔が見えるといったものです。お互いに視線を交わせたり、視線の先を共有したりできるゲームがおすすめです。 素材は丈夫なものや、コマなどが大きいものを選びましょう。手元にずっと持って遊ぶカードなどは力の加減が難しく、くしゃっとなったりしてしまいます。内容的には、考えて勝ち負けが決まるものより、ある程度『運』で勝負が決まるものを選ぶといいと思います」

購入する場所については、国内物・海外物共に、最近は量販店でもボードゲームの取り扱いが増えているので、手に入りやすくなっています。

「もちろん専門店なら種類も多く、年齢別や、遊ぶ時間別などで区分けして陳列されたりもしていてより選びやすいと思います。パッケージにも特徴や対象年齢など書いてあるので、そういったところを参考にするといいでしょう」

財津さんが厳選! おすすめのゲーム5選

はじめてのゲーム・果樹園

木製の大きな果物を使って遊ぶこのゲームは、2歳からおもちゃとしても遊べます。サイコロを振って、出た色の果物を手に取ってカゴに入れる、というわかりやすいルールの上、プレイヤー全員VSカラスという「協力ゲーム」。誰かの勝ち負けでなく、負けても全員での負けというのも低年齢のお子さんにぴったりです。大きな木製の果物は、ごっこ遊びの素材としても活躍しそう。

はじめてのゲーム・果樹園

はじめてのゲーム・果樹園

メーカー:HABA(ドイツ)
対象年齢:2歳から
人  数:1~4人
所要時間:10分
価  格:4,620円
輸入販売元:ブラザー・ジョルダン社
https://www.brjordan.com/brand/haba/

パカパカお馬

一日中はしゃいでいた馬たちが速足で馬小屋に戻らなければいけないという、設定のゲームです。付属の赤と青の特殊なサイコロ2種類をふり、出た目と印を見て「馬を進める」か「道具をもらう」かを選びながら、厩舎に馬を連れて帰ります。馬をどんどん先に進めても、道具をすべて集めない限りはゴールできません。木製のかわいい馬のコマや、道具を集める型はめパズルのようなボードなど、豪華な内容物で楽しみながらゲームができます。

パカパカお馬

パカパカお馬

メーカー:HABA(ドイツ)
対象年齢:3歳から
人  数:2~4人
所要時間:10分
価  格:3,080円
輸入販売元:すごろくや
https://sugorokuya.jp/p/hoppe-reiter/

宝石がいっぱい!

宝石がいっぱい!

夢の鉱山で採掘者となって、宝石を掘り当てるゲームです。進行とともに獲得できる宝石の価値(得点)が上がっていくので、最後まで逆転の可能性があり、ハラハラドキドキ感が楽しめます。まだめくられていないカードがどれかを覚えておく「神経衰弱」のようなゲームですが、めくるカードは1枚だけだからサクサク進みます。宝石型の得点コマなど、ビジュアルも楽しい「宝石アイテム」も魅力的!

宝石がいっぱい!

宝石がいっぱい!

メーカー:アークライト
対象年齢:4歳から
人  数:2~6人
所要時間:5分
価  格:2,200円
https://arclightgames.jp/product/576houseki/

ナインタイル

お題のカードと同じ配置になるよう、9枚のタイル(カード)を自由に動かしたりひっくり返したりして、早く並べるだけ。ルールはとてもシンプルですが、タイルの裏表の組み合わせをよく考えないとうまくいきません。スピード感が勝敗を左右する絵合わせパズルゲームです。

ナインタイル

ナインタイル

メーカー:オインクゲームズ
対象年齢:6歳から
人  数:2~4人
所要時間:15分
価  格:2,420円
https://oinkgames.com/ja/games/analog/nine-tiles/

ミツカルタ

7つの山に並んだカードの文字から、3文字以上の言葉をみつける新感覚のワードゲームです。順番はなく思いついた人から、見つけた言葉を言っていきます。3文字使えば3ポイント、5文字使えば5ポイント。なるべく多くの文字を使った長い言葉を探し、カードをたくさんとった人が勝ち。でも7文字全部の文字を使って言葉を作れたときは、なんと一発で勝利となるルールです。

ミツカルタ

ミツカルタ

メーカー:JELLY JELLY GAMES
対象年齢:6歳から
人  数:2~6人
所要時間:5~10分
価  格:1,650円
https://jelly2games.com/mitsukaruta

お子さんが興味を持ちそうなゲームは見つかりましたか? 今回紹介したアドバイスを参考にしながら、家族みんなでボードゲームを囲む時間を楽しんでください。案外大人の方が夢中になってしまうかもしれませんよ。

取材・文/苗代みほ

2024
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