【こどもの本棚】やまもとななこ『はっきょい どーん』
今回のテーマは「相撲」
推薦者 角谷尚子さん(陸別町公民館図書室)
ぶつかり合い ページ一杯
大相撲九州場所が11月27日で終わり、興奮冷めやらない人もいるでしょうか。角谷さんに相撲に関する本を教えてもらいました。
「はっきょい どーん」(やまもとななこ作、/講談社)で描かれているのは、最強の横綱武留道参(ぶるどうざん)と、小結明(あけ)の海による、優勝をかけた大一番!
緊張の一瞬から、ぶつかり合って「どーん!」、張り手で「ばちーん!」。小さな明の海が武留道参のまわしを「がしっ」、土俵際で「ざざざざざー」。めくるたびに、ページ一杯の迫力ある絵に引き込まれ、まるで砂かぶりでぶつかり合いを見ているようです。
最初はモノクロの絵ですが、少しずつ明の海の頰が赤らんできます。「まける……もんかっ!」。大きな武留道参のお尻が目に飛び込んでくる。勝負が決した瞬間の、歓声に包まれるシーンがカラーで「本当に歓声が聞こえそうです」と角谷さん。
相撲ファンである著者のデビュー作。ファンだからこその相撲愛を感じる臨場感あふれる作品です。最後のページに描かれた、優勝杯を持った明の海の誇らしげな表情がいいですね。
見返しには勝ちが決まった時の「決まり手」82手と、反則行為である「禁じ手」8手を紹介する絵があります。「勉強しようかな」と角谷さんは話していました。4歳から。
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「はっけよい! 雷電」
吉橋通夫著/講談社
「はっけよーい」
ケロポンズ作、いぬんこ絵/ポプラ社
「櫓(やぐら)太鼓がきこえる」
鈴村ふみ著/集英社
(2022年11月29日 北海道新聞帯広・十勝版掲載)
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