産後のマイナートラブルに効果的!運動不足解消にも最適な「バランスボールエクササイズ」って?

「バランスボールエクササイズ」って?

「産後」とは、一般的に出産後約1年の期間のことをいいますが、一度でも出産を経験した女性は、期間に関係なく産後の時期を過ごしているとも言われます。

産後の女性は、ホルモンバランスの乱れや、骨盤のゆがみ、肩こり、慣れない生活リズムによる寝不足など、何かと心身共に疲労がたまりやすいもの。産後はできるだけゆったりと過ごしたいものですが、適度な運動は逆に疲労からの回復を促してくれます。

そこでおすすめなのが、バランスボールを使った有酸素運動です。スキマ時間に無理なく継続できる、バランスボールエクササイズの魅力を、札幌市在住のインストラクター菅原理沙さんに聞きました。

バランスボールが産後におすすめの理由って?

菅原理沙さん

菅原理沙さん

「バランスボールさえあれば、2、3分のスキマ時間に誰にでも簡単に程よい有酸素運動ができて、楽しく続けられるのがいいんです」と笑顔で語るのは、バランスボールインストラクターの菅原理沙さん。5歳と2歳の女の子を育てるママでもあります。

菅原さんがバランスボールを始めたのは、次女の出産後。「骨盤調整をしてくれる整骨院に通っていました。効果はあったのですが、体力がなかなか戻らないのを感じていました。私が元気でいないと、家族も困ります。健康を考えたら、何か自分で運動をしなくちゃって思ったときに、バランスボールに出合いました」と菅原さん。子連れでバランスボールのエクササイズを体験したところ、「1回目で気に入っちゃって」と、インストラクターの資格を取るまでに。

菅原理沙さん2

バランスボールはなぜ、産後のママにおすすめなのでしょう。

「妊娠中は筋肉が衰え、出産で骨盤低筋が緩んでしまいます。それが尿漏れや腰痛といったマイナートラブルの原因になることも。正しい姿勢でバランスボールに座って、骨盤の位置を元に戻すよう促し、骨盤周りの筋肉を鍛えることで改善が期待できます」と菅原さん。

さらに「バランスボールに座って弾むことで、自律神経がたくさん通っている背骨にも刺激を与えます。続けていると徐々に自律神経が整い、ホルモンバランスの改善にも役立つと言われているんです」と続けます。

そして、もっともママにうれしいのが、家にいながら家事や育児の合間にできる点。「子どもと一緒に楽しめますし、うちは寝かしつけに大活躍しました。何より、運動で体力がついてくると、心にもゆとりができて、育児にイライラしなくなりました」と菅原さんは実感した効果を教えてくれました。

おうちでできる基本のバランスボールエクササイズ

バランスボール

バランスボールはもともとリハビリのために開発されたもので、姿勢を正して座るだけでインナーマッスル(深層筋)が鍛えられます。関節に無理をかけずに運動できるので、産後のママにもぴったりです。

バランスボールで心と体の健康を保っているという菅原さんに、おうちでできるバランスボールエクササイズを教えてもらいました。

家で眠っているバランスボールがあれば、ぜひこの機会に活用してみませんか。

【基本のエクササイズ】まずは正しく座ることから

基本のエクササイズ1

足は腰幅の1.5倍に開き、つま先と膝はしっかり正面に。骨盤を垂直に立てるのが基本姿勢です。反り腰になったり、猫背になったりしないように注意しましょう。

基本のエクササイズ2

この姿勢で、両方の足の裏をしっかり床に付けた状態で、上下に弾みます。好きな曲をかけてリズムに乗りながら、まずは1曲分を目標に。5分くらいでじんわり汗をかくようになります。足の親指、小指、かかとの3点でしっかり床を捉えましょう。

【応用編1】腕を使ってみましょう

応用編1の1

両手を肩の上に置き、胸を開くようにします。ボールで弾みながら、腕をまっすぐ上に上げます。これを何度か繰り返します。

応用編1の2

【応用編2】体幹を鍛えるトレーニング

応用編2

バランスボールの上に上半身を乗せて、体をピンとまっすぐに。この状態で30秒キープ。慣れてきたら1分間に挑戦してみましょう。

肘はボールの中心よりやや手前下に。両手を組むと少し楽に感じられます。

【ボールがない人向け】これだけでも十分!

ボールがない人向け

ボールがない場合は、足と背筋を伸ばした状態で座り、お尻を左右交互に動かしながら前進したり後退したりして「お尻歩き」にチャレンジしましょう。骨盤が歯車になったイメージで。前後に10歩ずつ、3セットを目標に。

好きな音楽に合わせて弾むと気分も上がり、より一層エクササイズを楽しめます。テレビを見ながらでも大丈夫。気になる肩や背中、腰などの筋肉を心地よく伸ばしてみませんか?

子ども連れでも楽しめるレッスンを読者が体験!

体験会の様子

11月に開催した、mamatalk読者のみなさんとのバランスボール体験会には、産後間もないママたちも、赤ちゃんと一緒に参加。久しぶりのひとり時間を楽しみに参加された方もいました。

レッスンでは、基本姿勢から腕の動きを取り入れた応用編、ブリッジスタイル、筋トレ・ストレッチなど、さまざまなエクササイズを、菅原さんが丁寧に指導。最後は、話題の「きつねダンス」をバランスボールに座りながら、みなさんで踊って楽しみました。

体験会の様子2

体験会の後、参加者のみなさんに感想を伺いました。

「6歳と2歳の子育て中です。肩こりがひどく、運動不足なので何かしなくちゃと思って参加しました。なかなかひとりの時間がとれませんが、バランスボールでスッキリしました。家でもやってみたいです」

「9カ月の息子と参加しました。お風呂に入れたり、抱っこしたりしていると腰が痛くて肩こりもひどいので、運動したいなと思っていました。子連れで気分転換ができました。音楽に合わせて弾んで、とっても楽しかったです」

「4カ月の赤ちゃんと一緒に参加できて、リフレッシュになりました。もともと腰痛持ちだったので、ストレッチに興味がありました。バランスボール、楽しいですね」

体験会の様子2

首が座っていれば、赤ちゃんと一緒にレッスンを楽しめます

体験会終了後、みなさんが来たときよりも明るい笑顔で帰って行く姿が印象的でした。菅原さんも「バランスボールエクササイズは、誰でもできる簡単な運動です。ママになると、ついつい自分のことは後回しになってしまいますが、ママが元気でいることが子どもにとっても旦那さんにとっても一番。子育てには体力が必要なので、体のケアができて、気分のリフレッシュにもなるバランスボール、ぜひ体感してほしいですね」と話します。

そんな菅原さんは、札幌市内や近郊でバランスボールエクササイズのレッスンを随時開催しています。最新情報はホームページやインスタグラムで確認してください。

教えてくれたひと

菅原理沙さん

一般社団法人体力メンテナンス協会
バランスボールインストラクター

すがわら・りさ/香川県出身。結婚を機に札幌へ。5歳と2歳の女の子を育てるママ。次女出産後にバランスボールを始めて、心と体の健康づくりに大いに役立った経験を、多くのママにも伝えたいとインストラクターの資格を取得。レッスン情報はインスタグラムなどで随時発信中。

取材・文/maruco 撮影/菅原麻紀

2024
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