連載【0カ月からの育児塾】

初めての子育て、ママパパが心得ておくべき5つのポイントとは?

写真はイメージ(maroke / PIXTA)

育児のノウハウを、北海道助産師会会長の高室典子さん(札幌)に聞く「0カ月からの育児塾」。これまでは実技中心でしたが、連載2年目を迎え、今回からは育児をする人の心と体のケアや、周囲の支援方法をテーマに進めていきたいと思います。

今回は、初めての赤ちゃんとの関わり方です。伝えたい「5つのポイント」があります。

① 生活リズム、産前に下調べを

1つ目は、産前に赤ちゃんの行動や生活リズムについて調べておくこと。どんな生活リズムか、どんな行動をするのか、できたら2歳までの子どもを育てている家庭に聞いてみましょう。具体的な話が聞けると思います。3歳以上の子どもが大きい家庭だと、「もう忘れちゃった」というかもしれません。

② 泣いたらすぐ抱っこ、言葉に耳を傾けて

2つ目は、赤ちゃんが泣いたら、すぐ抱っこすること。初めての育児で一番の困り事は、赤ちゃんが泣くことです。子どもが泣く生活に慣れていないので、ずっと泣き声を聞くのは「すごくつらい」という家庭もあります。 でも、赤ちゃんにとって泣くことは「言葉」です。空腹や不快感、さみしさなどさまざまな気持ちや状態をママやパパに伝えようとしています。赤ちゃんはママのおなかの中で育ってきたので、ママのにおいや心音などに安心します。抱っこをして、赤ちゃんを落ち着かせながら、泣いた理由を考えて対応しましょう。

赤ちゃんとの関わり方

③ 夜も活動的なのは半年程度

3つ目は、赤ちゃんの生活リズムについて。夜も活動的な時期が続くのは長くても半年程度。家族で協力して乗り切りましょう。赤ちゃんがおなかの中にいる時は、午後10時から午前2時にかけても、活発に動いています。生まれたからと言って、すぐに生活リズムは変わらず、それに合わせてママやパパが起きていると、寝不足になります。授乳の間隔も3時間で、本当に大変です。

④ 初めての子育ては、みんな初心者

4つ目は、初めての育児はみんな「初心者マーク」ということ。授乳や寝かしつけなど最初からうまくできなくて当然です。赤ちゃんが落ち着かない時は、ママが抱きしめましょう。ママが不安になった時は、パパがママと赤ちゃんを抱きしめてあげてください。赤ちゃんと夫婦が仲良く暮らしていけます。

⑤ 1日5分でも夫婦で会話を

5つ目のポイントです。赤ちゃんがいる生活で、パパとママの会話はすごく大事。赤ちゃんのお世話に追われて2人の会話がなくなると、気持ちにずれが生じてきます。夫婦とはいえ、それぞれ育った環境や、価値観が違います。共に子どもを育てるには、考えをすり合わせていくことが大事です。 どんな子に育てたいか、どんな役割分担をするか、話し合っていれば、価値観がずれたり、信頼関係を失っていくことはないと思います。1日5分でもいいので試してみてください。

育児は2人だけで乗り切るものではありません。周りの支援やサポートが大事になります。困ったことがあれば、保健センターの保健師や助産師など専門職や、子育て中の家庭に尋ねてみてください。産後の母親を支援する「産後ケア」や、母子相談など各自治体の事業もあります。上手に活用し、大変な時期を乗り越え、子育てを楽しんでください。

動画では、赤ちゃんとの関わり方や抱っこのコツについて紹介しています。

取材・⽂/田口谷優子(北海道新聞記者)

Area

北海道外

その他