おもちゃ 発達に合わせて クリスマスプレゼント選び

約5万種類ものおもちゃが並ぶヨドバシカメラマルチメディア札幌

クリスマスまであと1カ月余り。家庭ではそろそろ子どもへのプレゼントを考え始める頃になりました。おもちゃは根強い人気があり、遊びを通じて発達を促すための道具としても役立ちます。就学前の子どもには、どんな視点でおもちゃを選べばいいのでしょうか。売り場での人気商品と併せて専門家や担当者に聞きました。

運動機能、想像力 一緒に遊んで成長

札幌国際大短期大学部教授の深浦尚子さん(62)=発達心理学=は「子どもにとって、遊びは生活そのもの」と語ります。遊びは運動や認知機能、コミュニケーション能力など発達の全てを促し、そのための道具の一つがおもちゃだと言います。

深浦尚子さん

深浦尚子さん

深浦さんは「与えっぱなしにせず、保護者も関わることが大切です」と強調します。保護者が一緒に遊び、子どもができないときに励ましたり、できたら褒めたりすることで「子どもの意欲が高まり、自信を持てるようになります」。 こうした体験が、子どもが成長する過程で壁にぶつかった時、乗り越える原動力になると言います。

おもちゃは、保護者が一緒に遊べることに加え、発達に合ったものを選ぶよう勧めます=表=。0~1歳は感覚で物事を捉えるため、音が鳴ったり動いたりするものが良いと言います。手渡す前に、保護者が遊び方を見せます。1~2歳は運動機能を促進させるもの、2~3歳は想像力を豊かにするものを選びたいですね。

3歳ごろからは好みがはっきりしてくるので、選ぶ際に加味します。3~4歳は手先が器用になるため、自分で形を作り出せるおもちゃが良いでしょう。4~5歳は勝ち負けを経験するゲームで、考える力や感情をコントロールする力を身につけられます。5~6歳は文字や数字を覚えられるものなら、就学前の準備にもなります。

深浦さんは「クリスマスは、心に残る特別な日。子どもが幸せな気持ちになれるプレゼントを選んで」と助言します。

家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア札幌」(札幌市北区)では、約5万種類のおもちゃを扱っています。1歳前後の子ども向けには、ふたを開けたりつまみを回したりできる知育玩具が売れると言います。価格は3千~4千円台です。 3歳ごろは調理やお菓子作りの疑似体験ができるものが人気で、価格は4千~7千円台が多いと言います。玩具売り場担当の伊藤飛鳥さん(36)は「『ごっこ遊び』ができるものが選ばれています」と話します。

多くの輸入玩具をそろえるボーネルンドショップ札幌・大通り店

多くの輸入玩具をそろえるボーネルンドショップ札幌・大通り店

「ボーネルンドショップ札幌・大通り店」(同市中央区)は、輸入玩具を中心に約1400種類を扱っています。目より耳が先に発達するため、1歳ごろは音を楽しめる木琴(7千~1万6千円台)が人気と言います。 3歳ごろには磁石付きのブロック(3千~2万円台)が好評です。店長の表美里さん(29)は「ブロックは家などを作れるので立体感を養えます」と説明しています。

取材・⽂/田口谷優子(北海道新聞記者)

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