【こどもの本棚】さとうめぐみ『レモンちゃん』

今回のテーマは「ちょっと変わったヒーロー」
推薦者 村田美佳さん(足寄町図書館/愛称・ルイカ)

食育や多様性…要素たくさん

絵本「レモンちゃん」(さとうめぐみ作絵/PHP研究所)の表紙には、かわいいレモンの女の子が描かれています。ほのぼのとした童話を想像させますが、村田さんは「一見、ヒーローものとは分からず、展開が予想できない面白さがあります」と話します。

友達を探しに「おいしいもり」を歩くレモンちゃん。でも、りんごちゃんや、ももちゃんには「あなた、すっぱいじゃない」と仲間に入れてもらえず、野菜たちからは「ごはんのおかずでみたことないぞ」と拒否されます。

誰の仲間にもなれないと涙するレモンちゃんを受け入れてくれたのは、わさびあにきや、ゆずねえのいる薬味たちでした。そのころ、森の入り口には食べ物の敵となる妖怪が現れ、食べ物たちを狙っていて…。

「かわいらしく、かっこいいヒーロー。食育や多様性など、いろいろな要素を含んだ1冊です」と村田さん。3歳ごろから。

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(2022年10月25日 北海道新聞帯広・十勝版掲載)

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