手足口病、道内で3年ぶり流行 各地で警報レベル こまめな手洗いで拡大防止を

子どもが夏にかかりやすい感染症「手足口病」が道内で3年ぶりに流行している。道立衛生研究所(札幌)によると、8月以降の1定点医療機関当たりの患者は全道で4人超と警報発令基準(5人)に近い状態が続く。新型コロナウイルス流行に伴い感染症対策が広がり直近2年は流行がなかったが、今夏は道央を中心に全道各地で感染が増加。専門家は手洗いなどの徹底を呼びかけている。

手足口病はウイルスによる感染症で、口の中や手足に水疱(すいほう)性の発疹が出て、発熱や喉の痛みがある。感染者は5歳以下が90%前後を占める。大半は数日で回復するが、まれに髄膜炎など重症化するケースもあり、強い頭痛や意識が朦朧(もうろう)とするなどの症状がある場合は注意が必要という。

同研究所によると、道内では6月下旬から感染者が増え始めた。直近の今月8~14日の1定点医療機関当たりの患者は前週とほぼ同じ4.81人で、札幌、小樽、江別、岩見沢、岩内の5保健所管内が警報発令基準を超えている。このうち小樽市保健所管内は7月中旬に1定点医療機関当たりの患者が39.33人に達した。

手足口病は通常、8月上旬ごろがピークだが、増加が続いている地域もある。8~14日の患者数は、江別保健所管内が前週比4.40人増の16.00人、岩見沢保健所管内が同3.40人増の6.80人などだ。

北海道科学大の秋原志穂教授(感染症看護学)は「過去2年は外出自粛などのコロナ対策もあり手足口病は流行しなかった。今年はコロナ禍前の19年ほどの流行にはなっていないが、久しぶりに行動制限がない夏となり、感染が広がったのではないか」と指摘する。予防策としてはコロナ対策で奨励されているアルコール消毒は手足口病には効きにくいとして、流水とせっけんでの手洗いが大切だと強調した。

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