連載【0カ月からの育児塾】

赤ちゃんの気になる4つの態度、これって何?

赤ちゃんが見せる態度について不思議に思ったことはありませんか。今回は、うなる、いきむ、しゃっくりをする、よく吐く-の4つについて、北海道助産師会会長の高室典子さん(札幌)に理由と対処法を教えてもらいました。

注意深く見て、落ち着いて対処を

高室さんは「どんな状況でも起きやすいですが、母乳などを飲みすぎた後に赤ちゃんの姿勢を変えたり、寒暖差があったりすると、より起きやすい」と話します。母乳やミルクの飲みすぎが理由として考えられる場合は飲ませる量や時間を調整することも大事です。

これらの態度に接すると心配になりますが、「大抵は病気ではありません。ただし、注意深く見る必要があります」といいます。

1、うなる|寝ぼけならゆったり寝かせて ゲップや母乳を飲みすぎた可能性も

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うなることは、0カ月から4カ月ぐらいまでよく見られます。主な理由は四つあります。《1》寝ぼけているため。赤ちゃんは脳の機能が未発達なので、寝たり起きたりがうまくできません。寝る環境を整え、ゆったり寝かせてあげて。《2》ゲップがうまくできないため。赤ちゃんを肩に抱え背中をとんとんと優しくなでたり、膝に乗せて背中をそっとなで上げたりするのが効果的。《3》母乳などの飲みすぎ。体重増加が著しい赤ちゃんがうなる場合は飲みすぎの場合が多いです。《4》うんちが出ないため。おなかをマッサージしましょう。

2、いきむ|おなかのガスやおむつの締め付けが原因

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 いきむ理由は四つ挙げられます。《1》おなかのガスが移動。おなかのマッサージやガス抜きのポーズを取らせてください。横を向かせて対処する時は、左右両方に向かせるとよいでしょう。《2》母乳などの飲みすぎ。《3》オムツの締め付けすぎ。おむつが強く締められると、おなかが苦しくなるので、おむつをテープなどで留める時、指2本が入る程度の隙間をつくって。

3、しゃっくり|元気なら大丈夫 背中をとんとんなでて

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しゃっくりが出る理由は三つ考えられます。《1》横隔膜が未発達で、母乳などがたくさんおなかに入って胃袋が持ち上げられ、横隔膜がけいれんしたため。飲みすぎた後でママがおむつを換えようとお尻を上げると、赤ちゃんの胃袋が持ち上げられてしまいます。お尻は高く上げず、優しく持ち上げて。《2》母乳などの飲みすぎ。《3》おしっこや汗を出し、赤ちゃんの体が冷えたため。赤ちゃんの汗を拭き、バスタオルで包んで、温かくします。

「しゃっくりが出ても、元気なら大丈夫」と高室さん。止めたい場合は、背中を優しくなでたり、膝の上に抱き、背中をなでたりするとよいでしょう。下向きにした赤ちゃんの股に手を置くようにして抱え、もう片方の手で背中をとんとんとなでるのも効果があります。しゃっくりの後に吐いた場合は、消化器系に問題がある可能性があるため、医師に相談してください。

4、よく吐く|量が多く繰り返すなら、かかりつけ医に相談を

赤ちゃん、よく吐く、対処法赤ちゃんがよく吐く理由は主に三つ。《1》大人と違い、胃袋がまっすぐで、頭が下がると吐きやすいため。赤ちゃんのお尻を高く上げないよう気をつけて。《2》母乳などの飲みすぎ。《3》病気の可能性。「少量でタラタラと垂れる程度なら様子を見て構いません」と高室さん。ただし、繰り返し吐いたり、量が多かったりする場合は、かかりつけ医に相談してください。母乳などが逆流し食道の中にとどまる胃食道逆流症や、すごい勢いで吐く場合は、胃の出口が狭くなり、ミルクなどが流れていかない幽門狭窄(きょうさく)症の可能性もあります。

4つの態度について、高室さんは「よくあることなので、ママが落ち着いて対処を」と助言。「吐き方やぐずり方がいつもと違う場合、医師に相談してください」と注意を促します。

取材・⽂/田口谷優子(北海道新聞記者)

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