自由研究にいかが 星空ロマン楽しんで 札幌市科学館・高橋さんが夜空の観察ポイント紹介

高橋春菜さん

七夕でおなじみの織り姫さま「こと座のベガ」、ひこ星さま「わし座のアルタイル」―。夏の夜空は子どもたちにもなじみ深く、華やかで見応えのある星が楽しめる。暖かく気軽に外に出られる季節でもあり、星空観察デビューにおすすめだ。札幌市青少年科学館のプラネタリウムで星の解説を担当する高橋春菜さん(27)に、8月の道内の夜空の観察ポイントなどをアドバイスしてもらった。

「ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ」より札幌市青少年科学館が作成

「ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ」より札幌市青少年科学館が作成 ※タップ/クリックするとPDFでご覧いただけます。

夏の星座の目印的存在は、ゼロ等星のベガ、1等星のアルタイル、はくちょう座に含まれる1等星の「デネブ」の三つを結んだ、夏の大三角です。星が見られる方位は季節や時間で変わりますが、8月の午後9時ごろであれば、ほぼ真上か南東寄りの空を見上げてみましょう。「ショートケーキのような細長い三角形」と形を覚えてから探すと、見つけやすいはずです。夏に見ごろの星でもう一つおすすめが、南の空の低いところに明るく輝く赤い星、さそり座の1等星「アンタレス」です。街中では建物が邪魔して見えないこともあるので、開けた場所で観察してみましょう。アンタレスはさそりの心臓に当たる部分です。また、春の代表的な星並びとして知られる北斗七星は、夏でも北西の空に輝いています。

三大流星群のひとつ「ペルセウス座流星群」の観察にも挑戦してみましょう。年間を通しても1、2位を争う流星数を誇り、流星群の活動が最も活発になる時期が夏休み期間と重なるため、注目しやすい流星群です。条件が良い年であれば、1時間に40個程度の流星が期待できます。

ただ今年は残念ながら条件が悪い年。流星群の活動が最も活発になるのは13日午前10時ごろと日中で、前夜の12日は満月のため空が明るくなります。例年よりも観察が難しく残念ですが、月明かりに負けない明るい流星を期待して待ちましょう。

比較的多く見られるのは11~13日の3夜で、いずれも午後9時ごろから出現し、夜明けが近づくにつれて数が多くなると予想されます。最も多く見られるのは、13日の明け方近くになりそうです。

2等星以上の明るさの星は街中でも肉眼で観察しやすいです。見つけやすい星から覚え、星並びをたどれるようになると、観察の楽しみも増します。星は地球からずっと離れた場所にあり、私の場合は何千何万年前の光を今見ていることにロマンを感じます。夏休みの自由研究として星座にまつわる物語を調べるなど、ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけてください。(高田かすみ)

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