連載コラム「絵本はママを育ててくれる」第11回
【からすたろう】「苦手」だって個性です
不得意があってもいいんだよ
「はるくんは、マイペースですね」。幼稚園で長男はよく、こう言われました。「タイ育ちだからかな」と考えていましたが、参観日のたび不安は募ります。運動やお遊戯は大の苦手。1人で、かと思えば興奮し過ぎていたり。理由を探してインターネット検索をしては、息子の発達を「評価」する私がいました。
「発達性協調運動障害の傾向」と分かったのは2カ月前。不器用で運動が苦手なのが特徴だそうです。息子は両目を同時に働かせるのが難しいのですが、訓練で見え方が改善され始め、体が思い通りに動くのがうれしいようです。
トレーナーは言います。「誰にも得意、不得意がある。それが素晴らしい個性です」
不得意なことがあっても繊細な感性で世界を見ていた「からすたろう」は息子と重なります。得意なことに目を向けてくれる先生との出会いが、たろうも、周囲も変えていきます。
長いトンネルを抜け、私は息子のユニークな凹凸を心から喜べるようになりました。苦手なことがあっても、自分を大切にする思いを失う必要はない。あなたの感性を豊かに育てて生きていこう。そう伝え続けるつもりです。
今回登場した絵本
「からすたろう」
やしまたろう・作 偕成社
学芸会でたろうが発した声には、小学校で過ごした6年間の孤独が詰まっていたことでしょう。自然への洞察力が優れた彼にとって、山の中で営む家業は天職だったに違いありません。誰だって、社会の中で輝く1人になれるのです。
この記事に関連するタグ
What’s New
- 子育て・教育
- ALL
Editor's pick up
Ranking
- すべて
- 子育て・教育
2024
5/7
TUE
Area
道央
小樽・ニセコ・積丹