• #8|仕事復帰で娘が反抗期に突入 記者も「王子様役」も同じ重み

    「晴れ ときどき子育て日和」#8
    札幌市で朗読活動を行い、2018~19年に北海道新聞で「絵本はママを育ててくれる」を連載していた谷岡碧さんが、2人の子どもの母となった日々を綴ります。(バックナンバーはこちら


    泣いても怒っても後を引かず、元気いっぱいで、家族から「ちびゴリラちゃん」と呼ばれていた娘も3歳になりました。最近は「プリンセスごっこ」なんかもするようになり、私はもっぱら王子様役を引き受ける毎日。4月からは週2回、プレスクールに通っています。

    すると、あれれ?? ゆっくりトイレに行くことも、食事をすることもすっかり諦めていたけれど…どうやら少しずつ「自分の時間」というものが確保できるフェーズに入ってきました。

    子育ての節目を感じるこのタイミングで、東京で報道記者時代を戦友のようにご一緒した女性から「WEBで記事を書きませんか?」というお誘いを受けました。迷わず「ぜひお願いします!」とお返事し、本当に久しぶりに記者仕事がスタートしました。

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    企画をたて、アポイントを取り、取材をして記事を書く。わ、わ、なんだ、これは。この気持ちをひと言で表すならば…「た、た、、楽しいーーーーーーーー!!」

    この7年間、自分の都合というものを極限まで排除し、王子様だけじゃなく時にはアンパンマンになり、ゾンビにもなり。でも仕事の場では、「自分の」興味がある人に話を伺い、「自分の」書きたいことを書き、大人から適切なフィードバックをもらい、報酬も得られる。それが、涙が出るほど嬉しいのです。

    けれど「子どもが手を離れ、仕事も楽しい!」なんて夢物語が簡単に実現しないのが、人生というものですよね。

    私の性格はよくも悪くも「一極集中」。取材で「子どもの包茎」を扱い、寝ても覚めても頭の中が「おちんちん」になっていた頃、気づけば娘が家にいる時間にも泌尿器科学会の論文を読み漁ったりしていました。息子はそんな私を「おちんちん博士」なんて笑う余裕があったけれど、あっさりと調子を崩したのは娘でした。

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    ごはんも食べたくない、お風呂もやだ、プレスクールなんて行くものか…!!これまでとても育てやすかった娘が、分かりやすい反抗期に突入したのです。「参ったな…」なんて思っていたとき、娘がプレスクールで発熱し呼び出されました。私の顔を見た途端にしゃくるように泣き出した娘。まだ自分の気持ちを上手に表現できないのに、震える背中が「私は寂しい」とはっきりと伝えてくれていました。私の腕の中で落ち着いた途端、熱はスッと下がりました。

    働くお母さんならば、きっと誰もがぶち当たるであろう壁は、私の前にもそびえていました。そして「良いバランス」なんて、簡単に見つけられるものじゃないと痛感する日々です。
     
    でも、子どもは確実に成長していくものだから、この1年は焦らない。「いやいや」という娘に、「うん、そうだね、嫌だよね」と声をかけ続けていこうと思います。社会と繋がる仕事も立派だけれど、王子様役だって大事な大事な仕事なのです。

     PROFILE

    谷岡 碧(たにおか・みどり)
    2012年にテレビ東京を退社後、タイへ移住してNGOで勤務。17年に帰国後は札幌へ住み、幼なじみと読み聞かせユニット「エネッツ」を結成。21年春から、主婦と生活社の女性向けサイト「CHANTO WEB」でライターとしても活動中。夫と小学1年生の長男、2歳の長女と暮らす。札幌市出身、36歳。

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