新型コロナ影響、短い夏休み 暑い日の登校、熱中症注意

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための休校が長期に及んだ影響で、自治体によっては小中学校の夏休みが短くなり、暑い日の登校が増えています。熱中症のリスクを下げ、少しでも涼しく快適に通学するために、持ち物や衣服はどう工夫すると良いのでしょうか。

人がいない時はマスクを外す/帽子、風通しの良い服を

札幌医大の當瀬(とうせ)規嗣教授(生理学)は、真夏の登校では「熱中症や食中毒への注意が必要」と指摘します。気温が高くなると、人は体内に熱がこもらないよう、汗などで放熱します。本来は口から出す息も、熱を体外へ出す役割を担っていますが、マスクを着用していると、口からの放熱が妨げられてしまうといいます。「登下校時、人が近くにいない時などは、外した方が良いでしょう」と話します。

発汗によって失われる水分は、水筒を持参して小まめに補給を。ただ、飲み口から腐敗菌が入ることがあるため、水に氷を入れて冷たくしておいたり、早めに飲みきって学校で水を入れ替えるとよいです。

直射日光から頭を守るため、帽子は必須。首筋にはタオルや、100円ショップなどで売っているネッククーラーをぬらして巻くと、首筋を通っている太い血管を冷やし、体を効率的に冷やすことができます。

注意したいのは、触れるとひんやりする冷感素材のものや、冷却スプレーです。冷たさを感じる神経に作用し、いわば涼しさを錯覚させるものなので「熱中症対策の効果は期待できない」と言います。

衣服は「風通しが良くて乾きやすく、できれば少し吸水性のあるものを選ぶと良いでしょう」と當瀬教授。色は、熱を吸収しにくい白や淡い色がお勧めです。

体調維持 生活リズム整えて

休校明け当初に比べると、最近は子どもたちが運動場などで体を動かす機会が多くなり、汗びっしょりになる場面が増えました。放置するとあせもなどの皮膚疾患にかかったり、おなかが冷えることがあります。札幌市内の小学校に勤務する50代の養護教諭は「汗ふきタオルがあると良いでしょう。Tシャツやインナーは、少し大きめのサイズをふわっと着ると、空気の層ができて体温調節がしやすい」と助言します。

この養護教諭はまた、熱中症対策として最も大切なのは「生活リズムを整えること」と力を込めます。「よく眠れて、よく食事が取れていると、同じ暑さでも体調を崩しにくい。子どもの体調が優れない場合はムリをせずに学校を休ませ、回復させてあげてほしい」と話しています。

取材・文/酒谷信子(北海道新聞記者)

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