連載コラム「井澤綾華のうちのごはんができるまで」第6回
おいしい適温 甘さやうま味引き出す
今年の夏は前半が雨続きでしたが、井澤農園の主力作物タマネギは悪天候を生き延びました。辛味がなく甘い品種「雪景色」は、札幌市内のデパートの道産食材フェアで販売しました。
3月生まれの長女は離乳食が始まり、初めての食べ物に驚いた顔やしかめっ面を見せ、食事の時間をにぎやかにしています。
「食べ物は五感で味わう」と言われるように、味そのものだけではなく盛り付け、香り、食感、揚げたり煮たりする音などが、満足度に大きく影響します。私がそこに加えたいのは「温度」。口に入れた時の印象にも変化をもたらしますが、味の感じ方も変えてしまうことに、皆さんはお気付きでしょうか。
例えば皆さんも、ぬるくてしょっぱいおみそ汁にガッカリした、なんて経験があるかもしれません。みそ汁は温度が低いとうまみが薄らぎ、塩味を強く感じてしまいます。汁物は65度前後が一番おいしく感じるといわれています。
逆に、冷やすと甘みを強く感じるのが、旬のトウモロコシや果物です。農産物に含まれる「果糖」は、冷えると常温の3倍も甘みを増すのです。
トウモロコシはゆでたてホカホカでもおいしいですが、食べる直前まで冷やしておくと、いっそう甘くなるんですよ。何本か手に入ったら、半分は食べるのをちょっと我慢して冷蔵庫に入れ、味を比べてみてください。
トウモロコシ
わが家の定番は、薄味の冷やしおでん。煮上がる5分前に生の輪切りを入れ、甘味とうま味を楽しみます。トマトやオクラもぴったりの具。炊き込みご飯に入れるなら生のまま包丁でそいで。栄養をゆで汁に逃さず取り込めます。
(写真提供:井澤 綾華さん)
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