子育て・夫婦間のモヤモヤ解消のきっかけに! 頭と心が整理できると話題の“書く瞑想”「ジャーナリング」とは

「ジャーナリング」って知っていますか? ジャーナリングとは、その時の自分の気持ちを思いつくままに日記のようにノートに書くことで、自分の内面と向き合い心の中を整理するメソッドで、「書く瞑想(めいそう)」とも呼ばれています。

子育て中のモヤモヤや夫婦間の悩みなども整理でき、癒やしの効果もあるため、頭と心を整える方法の一つとして注目を集めるように。そこでジャーナリングのインストラクター澤崎志保里さんを講師に招き、mamatalk読者を対象とした体験会を札幌で実施しました。今日からすぐに始められるジャーナリングについて紹介します。

自己分析のつもりで始めた、書く作業がジャーナリングの原点

澤崎志保里さん

澤崎志保里さん

今回、講師を務めたのは澤崎志保里さん。7歳と5歳のお子さんを育てながら、ジャーナリング講座やヨガレッスンを行っています。

最近、注目を集めているジャーナリングですが、澤崎さんが始めたのは学生時代でした。「自己分析のような感じで、自分のことを知るために思っていることをノートに書いたり、なりたい自分を書いたりしていたんです」と、澤崎さんは振り返ります。ノートに書くことを通して自分と向き合う作業は、社会人になっても続けていたそうです。「そのたびに、悩みを整理したり客観的に考えたりするのに役立てていました」。

「誰かの役に立つかも」 きっかけはヨガの生徒

その後、結婚、出産を経てヨガインストラクターとして活躍するようになった澤崎さん。ある日、ヨガの生徒として教室に通ってきていた大学生から、悩みの相談を持ちかけられました。

「その時に、悩みをノートに書いてみたら? と、何気なくアドバイスしました。すると、その子が毎週のように、ノートを持って来て気づいたことなんかを報告してくれるようになったんです」と澤崎さん。「ノートに書くと、悩みだと思っていたことが実は大したことではなとわかった」と話すこともしばしば。生徒さんはどんどん前向きになっていきました。

「書くことが癒やしにつながる」と、澤崎さんはジャーナリングの効果を実感。改めて勉強し、独自にヨガとミックスさせたジャーナリングの講師として、2022年から活動を始めました。

誰でもすぐに始められるジャーナリング

ジャーナリングの効果について、さまざまな観点から勉強した澤崎さん。「そうはいっても、いきなり書くのは難しいはず」と、まずはヨガで体をほぐして瞑想してからノートに向かうという独自の方法を作り上げたといいます。

澤崎さんが考案した、誰でもすぐに始められるジャーナリングのやり方を教えてもらいました。

「まずはお気に入りのノートとペンを用意してください。“お気に入り”というのを私は大切にしています」と笑顔を見せる澤崎さん。「ジャーナリングに正解、不正解はないので、まずは自由に書くことに慣れてください」と話します。

そこで、悩みのタイプ別にジャーナリングのコツを紹介します。

毎日忙しくて、頭の中が常にモヤモヤしている→考えを断捨離する

忙しい毎日のなかで、常に頭がぐるぐると回転しているのに、堂々巡りだったり肝心なことを考えられていなかったり。そんなモヤモヤしている人におすすめなのが、「ブレインダンプ(頭の中をひっくり返す)」という手法です。

「とにかく、その時頭に浮かんだことをどんどん書き出してみます。頭の中にあることを一度全部吐き出して、文字にしてみると、優先順位が見えてきます。忙しい時にやりがちなTo Doリスト作りは、頭がモヤモヤしている状態でやっても混乱するだけ。ブレインダンプで考えを整理すれば、不要なことも見えてきて、本当に必要なことがわかってきますよ」(澤崎さん)

自分のやりたいことがわからない→価値観の発見を目指す

自分が今まで生きてきた中で、何に感動し心が震えたか、どんなことに喜びを感じたか、自分の感情にフォーカスして、書き出します。次に、なぜ感動したのか、なぜうれしかったのか、その背景にあることに思いを巡らせ、書き込んでいきます。

「書くことで自分の価値観がわかってきます。そこで見つけた価値観を大切に生きていくと、きっと幸せな毎日が送れますよ。ちなみに、私が一番大切なものは子どもとの時間だということがわかり、忙しくても子どもと濃密な時間を過ごすことを心がけています」(澤崎さん)

とにかく時間がない→やらなくていいことリストを作る

とにかく忙しすぎて、何から考えていいのかわからないという人は、やることリストを作るのではなく、やらないことリストを作ってみましょう。どんなことでも大丈夫。これには時間を使いたくない、ということを書き出して明確にして意識づけすると時間に追われることが減っていきます。

「ジャーナリングは難しく考えず、まずは自由に書くことから始めてください。5分でもいいので、ちょっとした空き時間に、まずは心を落ち着けてノートに向かってみてください」(澤崎さん)

読者がジャーナリングでマインドフルネスを体験

11月上旬に開催された体験会には、9人のmamatalk読者が集まってくれました。澤崎さんによる1時間30分にわたるセッションは、まず「オープンハート」といって、深呼吸しながら胸を開く簡単なエクササイズからスタート。

続いて、心の安定を目指す「マインドフルネス」の状態だとストレスに立ち向かえること、ジャーナリングの効果や手法などを丁寧に解説。澤崎さんが実際に記入したノートも公開されました。

後半には、参加者が実際に、ジャーナリングに挑戦。皆さん、ジャーナリングを体験し、これからの生活に生かせる手法を持ち帰りました。体験会を終え、参加した皆さんの感想を紹介します。

「小学1年生の娘がいます。来年3月で仕事を辞めることにしましたが、この先、どうしていこうかあれこれ考えてしまい、頭の中を整理できずにいました。今日、参加してよかったです。悩みが晴れるきっかけになりそうです」(札幌市豊平区/Oさん)

「1人で過ごしていてはできない体験でした。仕事でも家庭でも、普段から自分だけの時間を持つことがなかなかできないので貴重な経験でした。今日は初めてだったので、あまり書き出せなかったのですが、家に帰ってゆっくりともう一度やってみようと思います」(石狩市/Tさん)

「11カ月の赤ちゃんと参加しました。気になっていたことが聞けてよかったです。予定を手帳に書くことは普段からやっていましたが、自分のことを書く時間やスペースを作っていきたいなと思います」(札幌市中央区/Sさん)

帰り際、参加者の皆さんが、来たときよりも晴れやかな表情をしていたのが印象的でした。ちょっとの時間でできるジャーナリングは、日々の子育てや夫婦間のモヤモヤを解消するきっかけになるはずです。読者の皆さんもぜひ挑戦してみてください。

教えてくれたひと

澤崎 志保里さん

ヨガ・ジャーナリングインストラクター

さわざき・しほり/札幌市出身。大学時代から、自分と向き合うためにノートに思ったことを書く作業を続け、結婚、出産を経てヨガとジャーナリングを組み合わせた独自のセラピーを考案。対面やオンラインでセッションを開催しながら、子育て、夫婦のことなど、さまざまな悩みを解決するヒントをヨガやジャーナリングを通じて広めている。

Staff Credit
取材・文/maruco 撮影/菅原麻紀

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