連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第56回

#56|国語力アップの方法 たくさんの言葉で会話を

 

子どもの国語力がどんどん落ちていると聞いたことはあるでしょうか。教育の現場にいると、そうした現状を目の当たりにすることが多くなっています。「何が原因なのか」といろいろ考察されていますが、私は「便利な世の中では『言葉』は面倒ツール」だからだと思っています。

例えば、最近のおもちゃの説明書には文字の説明書のほかに、動画視聴のためのQRコードが付いています。読み込むと動画で遊び方や注意点を説明してくれるのです。だから文字の説明書を読むことはほとんどなくなりました。もちろん隅から隅まで全部読む方もいらっしゃるかと思いますが、子どもにも同じ傾向が見られます。

勉強を教える側の私も、思い当たる節があります。5年前なら生徒側から「ここが分からない」と言われてから、いくつか会話をした上で「こうやるんだよ」と教えてきました。けれど今は「これはきっと分からない子が多いだろうな」と思ったら、最初から解法の仕方を動画に撮ってQRコードを付けて、いつでも見えるようにしてしまっています。

これでは「会話力」は育ちません。会話をしないと、自分の伝えたいことを頭の中で言葉にしなくなります。これでは国語力は落ちていく一方です。私は2年前に本を出版していますが、本の中で使う言葉は「なるべく易しい言葉に言い換えましょう」「誰でも分かる言葉を使って」と編集者に言われてきました。言葉自体も平易に簡単になっているということです。

おうちでは、できるだけたくさんの言葉を使いましょう。本屋さんに行くと、たくさんの言葉が載った問題集があります。その中の単語を意識して毎日少しずつ使っていくだけで、10年後の国語力に大きな差が出ますよ。

教えてくれたひと

本多抽紀江さん

家庭教師

家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。
https://pandanoniwa.co.jp/

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