連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第54回

#54|昨今の習い事事情 「やり抜く力」育成が目的

習い事ブームが加速しています。新型コロナをきっかけにおうち時間が増え、せっかくなら何かをさせて打ち込んでほしいと望む親が増えたのも一つの要因ですね。 習い事は大きく三つのジャンルがあります。「学習系」「スポーツ系」「アート系」です。そして、親が子どもに習い事をさせる目的はジャンルごとに大きく異なります。 学習系なら日々の勉強に困らないように、というのもあれば、受験のためもあります。スポーツ系なら体力をつけるため、アート系なら情操教育などです。さらに「野球をやらせたい」「ピアノが弾ける子に育てたい」など、習う内容そのものが目的になる場合があります。

「週9で習い事に通っています」というご家庭の話も聞きます。1日に二つ以上掛け持ちをしている日があることになります。「どんな習い事を始めたらいいですか」と聞かれますが、私は学習系かアート系で一つ、スポーツ系一つの計二つくらいがちょうど良いのではないかとアドバイスしています。

なぜかというと、習い事の一番の目的は「集中してやり抜く力を育てること」だからです。そこで、習い事を始める前に必ず「○○ができたら始めても良い」と条件を付けた方がいいです。「お手伝いを1カ月続けることができたら」とか「毎日漢字のドリルをすることができたら」という形で、始める前から達成感を体験させます。ただなんとなく始めると続きません。

ぜひお子さんに小さなチャレンジをさせてから、習い事という大きなチャレンジに取り組ませてほしいと思います。ただ、長く続けるコツとして「家から通いやすい所」も忘れてはいけません。

送迎する親が息切れすると、いろいろな不満が出ます。「私が頑張ったらいいだけ」と思わず、できないものはできないよ、と伝えてもいいのですよ。

教えてくれたひと

本多抽紀江

家庭教師

家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。

Area

北海道外

その他