連載コラム「井澤綾華の働くママごはん」第53回

ライフワーク 隙間時間にレシピ開発

私たちの井澤農園では、7月末から収穫シーズンが始まりました。

白いタマネギの「雪景色」という品種に始まり、ジャガイモ、カボチャ、ニンジンはすでに収穫完了。これからタマネギの約10品種を順番に収穫し、9月中下旬にはサツマイモ7品種の収穫も控えています。収穫が立て続けにありますが、収穫したら選別、箱詰めなどの作業もあるため、およそ10月下旬までの3カ月間は大繁忙期です。

保育園がお休みの日曜日。収穫作業が始まると、大きなトラクターが家の周りなど敷地内を走るため、子どもたちには危険です。家の中でおやつ作りや工作、粘土遊びなどをして過ごします。

わが家は土曜保育を利用していて、助かっています。一方、空知管内栗山町には病児保育がありません。3人の子どものうち1人でも体調不良になってしまうと、私も畑に出られなくなってしまうのです。

そんな日は、子どもたちとゆっくり過ごす時間を意識的にたっぷり取るようにしています。隙間の時間には、パソコンを使った栄養価計算や執筆活動、レシピ開発、焼き菓子のシール貼りをするなど「私のライフワーク」をこなします。

子どもたちと一緒だとはかどりはしませんが、時間をぜいたくに使うボーナスタイムだと思えば、充実感があふれてきます。

農業は家族だけで行うことが多いため、視野が狭くなりがち。私のライフワークは、外とのつながりが持て、社会における自分の価値を客観的に確かめることができ、情報のインプットもできます。よく「ちゃんと寝ているの?」と聞かれることもありますが、私が私であるためには、最も重要な時間なのです。

畑作業とライフワークについて、自分の中で思うようにバランスをとることは難しいものです。これからも子どもを第一に考え、時間の上手な使い方と気の持ちようで自分をご機嫌に保っていきたいです。

教えてくれたひと

井澤綾華

管理栄養⼠

いざわ・あやか 天使⼤(札幌)を卒業後、2016年に空知管内栗⼭町地域おこし協⼒隊員に。17年、町内で農家を営む孝宏さんと結婚。22年1月、3人目の子どもとなる次男が誕生した。フェイスブックで野菜のレシピなどを発信中。札幌市出身。

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