休校中に子どもを犯罪から守る防犯対策のポイントは?

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、小中高校の休校が始まり約2週間がたちました。学童保育は多くが再開されましたが、親の仕事や用事などで、子どもだけで留守番せざるを得ない場合もあります。犯罪を避け、安全に過ごすための対策を親子で確認しておきましょう。


子育て中の女性向けに動画サイトを開設するCチャンネル(東京)が3月上旬に行ったアンケートでは、小学校低学年の子どもを持つ働く女性のうち、休校への対応として「子どもだけで留守番をさせる」と回答した人は34.9%に上りました。

全国各地で防犯教育を行う武田信彦さん(42)=東京都=によると、留守番中はインターホンや固定電話には出ないのが基本。子どもだけで留守番をしていると分かると、犯罪に遭うリスクが高まるためで「親戚や友だちなど、事前に約束がある場合を除いて、インターホンには出ないようにしましょう」。あれば子ども用の携帯電話で親子の連絡を取るようにします。

武田信彦さん

武田信彦さん

鍵の掛け忘れ注意

親戚の家や学童保育に子どもだけで向かう場合は、「だるまさんが転んだ」で遊ぶ時のように、時々横や後ろを確認しながら歩きます。現状では感染対策のためマスクをつけて歩く人が多く、相手の顔や表情を見分けにくいのが難点。不審者が警察官や保健所の職員などを名乗って近づいて来る可能性も考えられるため、「『どんな人にも付いて行かない』と再確認しておく必要があります」と武田さん。

人の目に付きにくい場所には特に気を付けます。集合住宅のエレベーターや外階段、玄関に入る時は、周りをよく見て素早く行動を。子どもが帰宅後、家の鍵をかけ忘れる場合もあるので、見やすい場所に張り紙をしておくと良いといいます。

困った時に逃げ込める場所を確認しておくことも大切です。地域の公共施設は今は臨時休館している場合もあり、スーパーやコンビニ、学校など実際に逃げ込める場所を確かめておきます。

雰囲気作りも重要

地域の大人にも、出来ることはあるでしょうか。登下校時に地域ボランティアが行う見守り活動は現在は多くが休止中。武田さんは、防犯パトロールやPTAの腕章、ジャンパーを持つ人は、通勤や買い物、犬の散歩などの外出時に身に着けて歩く「ながら見守り」を勧めています。

腕章を持たない人も、外出時に子どもが歩いているのを見かけたら「困っていないかな」「危険はないかな」という意識で気を配り、そっと見守ると良いといいます。武田さんは「子どもの安全確保は、親だけでは難しい。地域全体で子どもを見守る雰囲気作りが重要です」と呼びかけています。

防犯のポイント

  • 「インターホンに出ない」基本
  • 店など逃げ込める場所を確認
  • 地域の大人は「ながら見守り」

取材・文/酒谷信子(北海道新聞記者)

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