士別市が試行「習い事応援タクシー」 600円は妥当、払えるのは300円 保護者アンケート

習い事応援タクシーを利用する子どもたち(士別ハイヤー提供)

【士別】市は、小中学生を対象に実施した事業「習い事応援タクシー」(昨年11月~今年1月)について、保護者に行ったアンケートをまとめた。今後の運行の参考にする市街地内の利用料は、7割強が600円とする案に賛成したものの、実際に「払ってもいい」とする金額は300円が最多だった。

応援タクシーは平日午後4~7時まで、スポーツ少年団や学習塾などへ向かう小中学生を保護者の代わりに送る事業で、市や交通事業者などでつくる市地域公共交通活性化協議会(事務局・市企画課)が実施した。乗り合いで、士別ハイヤーが運行を担った。

事業費は、新型コロナ対策に関連する国の単発の補助金が財源で、利用料は1人1回100円に設定した。期間中は延べ254回運行し、同506人が利用。1回あたり2人が相乗りした計算だ。

アンケートは利用登録していた保護者57人に、望ましい制度設計について質問。今回の事業で実際にかかったタクシー通常運賃の半額を利用者負担の目安とし、運行1回につき「市街地内600円」とする案については、72%が賛成。約20キロ離れた「市街地―朝日間3千円」との案にも95%が賛成した。

だが一利用者として「支払ってもいい金額」は、市街地については300円が32%、500円が23%。今回と同額の100円も19%。市街地―朝日でも2千円が最多で25%。3千円以上は5%にとどまった。

これを同時に実現させるには、同じ目的地に向かう複数の子どもたちが毎回声を掛け合い一緒に乗車することなどが必要で、利用する側にも工夫が求められそうだ。制度への期待と実際に支払える額とをにらんだ、保護者の複雑な心境が浮き彫りになった。

茶道と剣道を習う小6の娘に利用させた自営業の母親(45)は「特に剣道は冬場に道具を持って歩かせるのは大変なので、とても助かった」とし、市街地での乗り合いは300円、1人なら500円程度の利用料を希望した。関係者からは、月額乗り放題チケットなど、支払い方法に工夫を求める声もある。

第2弾について、同協議会は夏にも実施の有無について協議することを検討している。(大口弘明)

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