連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第49回

#49|進学や進級の不安 ただ話聞いてあげて

 

新年度が始まりましたね。みなさんのお子さんは進学、進級で新しい生活にワクワクしていますか。それとも、ちょっと不安そうですか。新生活に期待を寄せる気持ちと不安な気持ちの両方を感じているお子さんも多いと思います。

「お友達できるかな」「苦手な子と同じクラスにならないといいな」「勉強、難しくないかな」―。こんな不安を感じてしまう子に対して、どんな対応をしてあげたらよいでしょうか。

ポイントは二つあります。一つ目はとにかく話を聞くこと。ただ話を聞いてあげてください。子どもは話すことによって、自分の中で今感じている期待や不安を整理していきます。話すだけで解決する問題はたくさんあるのです。大人のあなたも、不安なときに誰かに話すだけですっきりした経験があることでしょう。

二つ目は「ジャッジをしない」ということです。お子さんが不安そうなことを口にすると、思わず「こうした方がいい」というアドバイスをしたくなりますよね。でも、話をしてきた子どもに対して、その場でただ「聞くだけ」を心がけてみてください。もし、アドバイスがあるなら、全然違う場面で「あのときはあなたが話したことずっと考えていたんだけれど、こうしてみたらどうだろう」と、話しかけてみましょう。

緊張や不安、恐怖の感情を持つ時、脳内物質のノルアドレナリンが分泌されるといわれています。不安になるのは「ピンチの状態」「困った状態」の時です。ピンチの時に「さっさと行動しろ!」とせかす物質がノルアドレナリンです。だから、不安から脱出するには、何か行動を起こすことが大事なのですね。何もしないで放置すればするほど、不安は強まります。ぜひ、お子さんに「話す」という行動を取ることを提案してみてください。

教えてくれたひと

本多抽紀江

家庭教師

家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。
https://pandanoniwa.co.jp/

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