子どものコロナ感染割合3割超 道内で高止まり続く 急変に注意必要

道内の新型コロナ感染者は10代以下の割合が増加

道内で新型コロナウイルスの新規感染者の減少傾向が続く中、10代以下が占める割合が上昇している。8月下旬までは25%程度だったが、今月に入って30%を超える状況が続く。学校再開や、他の世代に比べて低いワクチン接種率が要因とみられる。子どもは基礎疾患がない場合も死亡する事例があることも分かってきており、専門家は嘔吐(おうと)や意識障害など病状の急変に注意するよう呼びかける。

道内の新規感染者のうち、10代以下の割合を1週間ごとにみると、8月15~21日は23.4%だったが、その後は徐々に上昇。9月5~11日に30%を超え、直近の12~18日は30.6%と高止まりが続いている。

感染者数自体は10代以下も減少傾向にあるものの、全体に比べ動きは鈍い。道内では8月下旬に小中学校で新学期が始まり、子ども同士の接触が増えて感染が続いているとみられる。

国立感染症研究所(東京)は、全国で1~8月に新型コロナに感染して死亡した20歳未満の41人を調査。医療機関への聞き取りなどを行った29人について分析した結果、15人は基礎疾患がなかった。ワクチン接種対象となる5歳以上は29人中15人で、このうち未接種だったのが13人、2回接種から3カ月以上経過していたのが2人だった。

道内の12~19歳のワクチン接種率は、19日時点で2回完了が75.8%、3回は40.4%。5~11歳は15日時点で2回完了が20.8%で、いずれも他の年代と比べ低い水準となっている。国は5~11歳の接種について、今月6日から12歳以上と同じ「努力義務」としている。道は保護者に理解を促すチラシを制作し、周知を図る方針だ。

北海道科学大の秋原志穂教授(感染症看護学)は「子どもは軽症で済むと思われてきたが、まれに急激に悪化する場合があると分かってきた。子どもが感染して様子がおかしいと感じた際は迷わず救急車を呼び、予防のためにワクチン接種も検討してほしい」と話している。(田鍋里奈)

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