連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第34回

#34|親子の葛藤 「話し合い」積み重ねて

#34|親子の葛藤 「話し合い」積み重ねて

最近の子育ての傾向として、親は自分の理想を子どもに語ることを「やってはいけない」と思っている節があります。「この勉強をしてほしい」「この学校に行ってほしい」という話は、子どもに自分の理想を押し付ける形になり、「子どもにとっては良くない」と思ってしまいますよね。

受験シーズンがやってくると、このような悩みを聞く機会が多くなります。進路だけでなく、もっと勉強してほしい親と勉強よりゲームがしたい子ども、夜中にスマホを使わないでほしい親と友達と常に連絡を取りたい子どもなど、たくさんの親子の葛藤の相談が寄せられます。そんな親子に提案しているのが、とにかく話し合うことです。

わが家は子どもにほしいものができたとき、どうしてそれがほしいのか聞いています。私が子どもたちにしてほしいことがあれば、どうしてそれをしてほしいのか話します。子どもたちに、お母さんと一緒にやりたいことがあれば「お母さんに伝えてね」と言います。子どもがやりたくないことは、その理由を聞いて「どうしたらやりたくなるかな?」と話し合います。

お互いにやりたいことを話し、要求し、どちらもかなえられるような妥協点を見つけたり、意見を聞いたりする体験は、問題の解決につながります。押し付けではなく、互いに納得した上で物事を進められます。

話し合うこと、意見を伝えあうことはハッピーな行為なのです。話し合いや意見のすり合わせは一般社会においても、とても重要なスキルです。要求の出し方や自分の意見を伝える技術を学ぶ必要性を感じます。 

話し合いは本当に大切で、そのスキルは子どもの頃からの積み重ねなのだと感じます。子どもにとって最初のコミュニティーは家族です。コミュニケーションをとる練習をぜひ、ご家庭でしてほしいと思います。

教えてくれたひと

本多抽紀江さん

家庭教師

ほんだ・ゆきえ/家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。

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