産後ケアに特化 助産院開設 函館・マーノ「里帰り気分で気軽に」

「里帰り気分で気軽に利用を」と産後の母親に呼びかける佐原さん(右)と瀬野まゆみさん

出産から間もない母親を支援する「産後ケア」に特化した助産院「産後ケア助産院マーノ」(函館市美原3)が市内で初めて開設された。育児相談のほか母親が休息を取れるデイサービスなどを行っており、代表の佐原和子さん(38)は「2人の助産師が手助けするので、里帰りする気分で気軽に来てもらえれば」と利用を呼びかけている。

助産師として函館市内のクリニックや総合病院で勤務経験のある佐原さんは出産後の母親とかかわる中で「相談相手がいるだけで、育児は楽になるのでは」と産後ケアに着目。函館市には出産後、医療機関に宿泊して保健指導や育児指導が受けられる「産後ケア事業」があるが、市外から市内に里帰り出産をしたものの思ったように家族のケアを受けられない母親らにも気軽に利用してもらいたいと開設した。

「マーノ」はイタリア語で「手」を意味し、育児に頑張る人の手助けとなりたいとの思いを込めた。同院はアットホームな雰囲気が特徴。1階は育児相談を受けるリビングと足マッサージなどが受けられる和室、2階には助産師にあずけた赤ちゃんと離れて休息を取ることができる洋室2室をそれぞれ用意している。

授乳や沐浴(もくよく)指導など育児に関する相談、母親の体を休める休息などを組み合わせて1時間単位で利用できるほか、午前9時~午後5時の産後デイサービスもある。「頑張り過ぎて育児がつらくなる前に、心細いこと心配なことを相談しながら息抜きをしては」と佐原さんは語る。

市内の産婦人科医や小児科医と連携している。利用は産後4カ月までの子どもとその家族。前日までの完全予約制で、料金は育児相談1時間3千円から、デイサービスは1万2千円。問い合わせや予約は同助産院(電)090・2074・2059へ。(野長瀬郁実)

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