4月に大幅リニューアル! 子どもはもちろん、大人も楽しめる札幌市青少年科学館(札幌市厚別区)
大規模リニューアルのため、2022年8月から長らく休館していた「札幌市青少年科学館」。この4月にリニューアルオープンし、連日多くの人でにぎわっています。再オープンから約1カ月が経ち、すでに足を運んだという方もいるかもしれませんが、今回は「まだ行っていない!」というファミリーに向け、リニューアルした部分を中心に施設内を紹介します。
目次
日々の暮らしの「なぜ?」を科学的視点で楽しく学ぶ
青少年科学館のコンセプトは「見て、触れて、考える」。私たちの日常にある「どうして?」「なぜ?」を科学の視点からひも解き、科学に興味を持ってもらうための施設です。今回のリニューアルでは「当たり前を見直そう」というテーマを掲げ、展示物の大幅改修を行いました。
「今回のリニューアルで、子どもも大人も、より一層科学を身近に感じてもらい、楽しめるようになったと思います」と話すのは学芸課展示係の手島駿さん。「子どもに『どうして?』と尋ねられると答えられないことが、結構あると思います。日々の暮らしの中で、当たり前になりすぎていて、なぜそうなるのかを意識する機会はなかなかないものです。でも、ここに来てもらうことで、科学がいかに自分たちの暮らしとつながっているかを知ってもらえたらと思います」と続けます。
たとえば、雪や氷。北海道の暮らしに雪はつきものですが、その雪の色がなぜ白く見えるか答えられますか? また、今シーズン道内でも事故が多かった雪崩の仕組みについて説明できますか? 案外答えられないものですよね。そうした市民にとって身近な雪にまつわる展示が多く用意されているのも特徴です。
雪国に暮らすからこそ知っておきたい雪や氷、冬のこと
それでは順に館内を回ってみましょう。エントランスから向かって右手、チケット売り場の奥には、2016年にリニューアルしたプラネタリウムがあります。約1億個の星を映し出す迫力のある映像が楽しめます。
エントランスから近未来的な雰囲気のエスカレーターに乗って「ガイアタウン」と名付けられた2階へ。ここには、宇宙の誕生から北海道の成り立ちまで学ぶことができる「天文・地球科学エリア」と、今回のリニューアルの特徴のひとつでもある「雪・氷エリア」、「環境・気象エリア」があります。
雪・氷エリアには、氷点下30度を体験できる「低温プレイグラウンド」(1日4回)や、壁に映し出した映像でカーリングやスケルトンのウインタースポーツを体験できるコーナーがあります。スケルトンのスピードを競うなど、親子対決も楽しめます。
丸い大きなドームの中に美しい冬の映像が映し出される「スノードームシアター」では、体を動かすと映像のつららがどんどん大きくなります。4人並んで、誰のつららが一番大きいか競争もできます。
そのほか、どうして冬は寒いの? 雲はどうやってできているの? 雪の色は? 雪のブロックで作った家は暖かい? などの質問が書かれた展示が並び、それぞれ分かりやすく回答。大人もとても勉強になります。
雪・氷エリアの奥にある「環境・気象エリア」では、札幌の気象や気候について学ぶことができます。札幌の雪の降り方など、普段意識しないようなことが科学的に分かりやすく展示されています。
実験的な要素もたっぷり!
人体の不思議に触れられるエリアも
次に3階の「テクノロジータウン」へ。階段を上がって正面には、「サイエンスパーク」と名付けられたエリアがあります。
空気の力が分かる空気砲の的当て「ふわぐわエアバズーカ」や、ボールをレール上に転がして物体の運動について学べる「パワーフォレスト」など、体を動かしながら実験ができ、子どもたちに大人気です。
左奥には、インパクトのある大きな口が出迎えてくれる「ボディアドベンチャー」のエリアがあります。
食べ物が口から入って便になるまでを、胃や腸など各臓器の形を模した大型展示で、五感を使って楽しみながら学べます。壁や床に書かれた数字やその解説から、人体の不思議を大人も学ぶことができます。内臓だけでなく、血液のこと、耳や目のことに関する展示もあり、「え! そうなの?」と驚くことがいっぱいです。
ボディアドベンチャーの奥にはキッズコーナーがあり、子ども向けの科学絵本などが並びます。その奥にも休憩スペースがあり、たっぷり遊んで学んだあと、ゆっくり休めるのはうれしいですね。
「本物」の除雪車や地下鉄を操作してみよう!
サイエンスパークの右奥には、「サッポロバックステージ」と名付けられたエリアがあり、ここには札幌市営地下鉄の車両と除雪車が展示されています。どちらも本物。間近で見ることができ、その大きさに驚きます。
特に除雪車に関しては、夜しか見たことがないという子どもたちが多いはず。運転席に乗ることもでき、どんな風に除雪が行われているかが分かるのもポイントです。
開館当初から展示されている札幌市営地下鉄東西線の展示車両も一部リニューアル。新たに運転シミュレーションができるようになり、より一層楽しみながら、地下鉄に隠れている科学や工学的な仕組みなどを学べるようになりました。
子連れでも利用しやすいよう設備も◎
未就学児も楽しめる!
まる一日かけて楽しめる青少年科学館。未就学児でも十分満足できる展示内容となっています。大人も勉強になることがたくさんあり、回り終わったあとはすっかり物知りになった気分です。
訪れたすべての人が楽しめるよう、入場できる人数に関しては制限を設けています。特に週末や休日は殺到するため、オンラインでの事前予約がおすすめ。もちろん当日券も扱っていますが、混雑すると思われる日は整理券を配るそう。
授乳コーナー、多目的トイレ、コインロッカーも完備しています。特別展示室は、展示やイベントがない日は休憩スペースとして開放していますが、今後は子どもたちと一緒に楽しめる科学イベントなどを実施。6月以降はロボット作りの教室などを予定しているそう。
「今は展示物に注目が集まっていますが、今後は参加型のイベントなども行い、子どもたちに楽しみながら科学に触れてもらいたいですね」と手島さん。リニューアルしてからまだ行っていないという人は、ぜひ足を運んでみてください。
施設情報
- 名称
- 札幌市青少年科学館
- 所在地
- 北海道札幌市厚別区厚別中央1の5
- 開館時間
- 5~9月/は9:00~17:00
10〜4月/9:30~16:30
(入場は閉館30分前まで)
- 休館日
- 毎週月曜(祝日の場合は開館)、毎月最終火曜、祝日の翌日、特別展最終日の翌日、12月27日〜翌年1月4日まで
※ゴールデンウィーク期間中や特別展期間中は無休
- 料金
- 展示室/高校生以上700円、65歳以上と障害者手帳持参の方は500円
プラネタリウム/高校生以上500円、65歳以上と障害者手帳持参の方は360円、いずれも中学生以下無料
- 電話番号
- 011-892-5001
- アクセス
- 地下鉄東西線新さっぽろ駅1番出口から徒歩1分、JR新札幌駅からサンピアザ経由で徒歩5分
Staff Credit
取材・文/徳積ナマコ 撮影/國枝琢磨
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