旧聚富保育園を親子の遊び場に 石狩の社団法人が活用へ 園舎にアトリエ、芸術家との交流も

AISプランニングが親子の「遊び場」として活用する旧聚富保育園(石狩市提供)

【石狩】芸術家を小学校に派遣する事業などを手がける市内の一般社団法人「AISプランニング」が、市厚田区の旧市立聚富(しっぷ)保育園を親子の「遊び場」として活用する取り組みを進めている。芸術家との交流やアウトドア体験のほか、カフェや家庭菜園の整備も計画。漆崇博代表(46)は「親子で気軽に遊びに行けて、学びもあるような場所にしたい」と話す。

同保育園は園児の減少から、2022年3月末で閉園となった。市は昨年、1994年築の木造平屋建ての園舎(床面積358平方メートル)や園庭を利活用する業者を公募。同法人が名乗り出て、今月に園舎と土地を約170万円で譲渡した。

同法人は札幌市内で芸術家の滞在施設も運営するなど、アートを生かした地域活性化に取り組む。旧聚富保育園で目指すのは、親子で遊べて、芸術と社会の接点をつなぐ場所。3人の子育て中の漆代表は「最近は何か問題があったらいけないと、子どもが気軽に遊びに行ける場所が少なくなっている」と話す。

園舎をアトリエや作品展示の場所とし、芸術家が講師となって親子や子ども単独で楽しめるワークショップを開くことなどを想定する。「1日ゆっくり過ごしてほしい」と、たき火やバーベキューなどができるアウトドアスペースやカフェも備える考えだ。自然農法などを実験する家庭菜園を作る計画もあり、年内に一部営業を開始し、3~5年かけて環境を整えたいという。

現在、市内花川北の漆代表の自宅にある同法人の事務所も園舎に移転する。漆代表は「地域の人たちとも日常的に関わりながら、自分たちの足元でさまざまなことを試していきたい」と話している。(和賀豊)

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