小樽協会病院 産科医1人増 4月から常勤3人体制に

4月から産婦人科医師が1人増の3人体制となる小樽協会病院

4月から産婦人科医師が1人増の3人体制となる小樽協会病院

小樽市内で唯一分娩(ぶんべん)ができる医療機関の小樽協会病院(宮本憲行院長、住ノ江1)は、4月から常勤の産婦人科医を1人増の3人体制に拡充する。医師を派遣している札幌医科大が増員を決めた。これにより4月以降、協会病院では従来の約2倍の年間最大300件のお産受け入れが可能となる。

札医大が派遣 小樽の周産期医療維持

協会病院によると、4月から産婦人科医3人となるほか、助産師は4人増の計22人となる。体制拡充に向けて、同病院は産科病棟のトイレを車いすでも使えるように改修するなどした。改修費計約1300万円のうち、小樽市の補助金990万円を充てた。

協会病院は「常勤医の1人増で、これまで以上に安全で効率的な運用が可能となり、安心してお産できる環境になる」と説明する。

市内の周産期医療を巡っては、協会病院とともにお産に対応してきた「おたるレディースクリニック」(稲穂4)が1月末で受け入れを終了。同クリニックの分娩件数は年間約300件に上った。協会病院は、同クリニックの件数の4割前後の受け入れが同病院で必要になると分析。同100~150件だった同病院の分娩件数は同250~300件に増えると見込む。

同病院は市や小樽市医師会と協力して、毎年行っている札医大への要請を強化。協会病院は主に北後志6市町村(小樽、積丹、古平、仁木、余市、赤井川)の出産を扱い、リスクを伴うお産を受け入れる道の「地域周産期母子医療センター」に後志管内で唯一指定されている現状などが考慮され、札医大から1月末に医師増員の連絡が届いた。

市内の昨年の出生数は357人と2年連続で400人を下回り、20年前の3分の1にまで減少している。小樽市医師会の鈴木敏夫会長は「里帰りも含め地元で安心して出産ができることは非常に重要。今後も周産期体制が維持されるように担当する医師の処遇にも留意が必要だ」と指摘する。(河田俊樹)

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