分娩施設、空知管内2病院に減 岩見沢のクリニックが5月から外来専念

4月末で分娩・入院の受け入れを終了する岩見沢レディースクリニック

【岩見沢】産婦人科の岩見沢レディースクリニック(8西19)が4月末で分娩(ぶんべん)・入院の受け入れを終了する。これにより、5月以降に空知管内で分娩できる医療機関は、岩見沢市立総合病院と砂川市立病院のみになる。同クリニックは外来診療や日帰り手術に特化する。

同クリニックは1995年の開院以来、岡田匡弘院長(62)が分娩と外来を1人で担当。分娩は当初の年間約300件から、近年は120~150件と半減していた。昨春からは産婦人科医1人が加わり2人体制となったものの、岡田院長は「今後の分娩数の減少や医師の働き方改革、高齢化に伴う婦人科疾患の診療のニーズなどを踏まえ、判断した」と話す。

昨年12月下旬から院内で受け入れ終了の告知を掲示し、妊婦には随時説明しているという。4月末までの分娩は受け入れる。ただ、受け入れ終了の発表前から同クリニックで診察を受け、出産予定日が5月以降の妊婦が20人ほどおり、分娩する医療機関を変更せざるを得ない。

6月に出産を控える市内の30代女性は長年かかりつけだった同クリニックでの出産を希望していたが、分娩受け入れ終了を聞き驚いたといい、「せめて分娩予約をしていた人までは診てほしかった」と話す。岩見沢市立総合病院での出産に変更する予定だが、「ほぼ受診したことがない医療機関での出産や、途中で病院が変わることには少し不安がある」と漏らす。

同クリニックで出産する人のうち、約半数は南空知を中心とした市外在住者で、岡田院長は「5月以降に出産を予定する人には、希望に応じて岩見沢市立総合病院のほか、江別や札幌、砂川などの病院や産科クリニックへの紹介状を書いて対応していく」と話している。(高木緑)

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