湧別TOMに木のぬくもり ロビー改修、ベンチやテーブル 自習スペースや授乳室も

TOMロビー内に新設された半個室スペース

【湧別】町は、町文化センターTOM(中湧別中町)の1階ロビーを木製の内装に改修した。湧別高生の要望を取り入れ、自習や待合スペースとして利用しやすいようベンチやテーブルを新たに設置。多世代の町民が居心地よく集える空間になった。

TOMは1993年に建設され、築30年になる。イベントホール、図書館、町の出張所が入る複合施設で、多世代の町民が訪れる。

これまで1階ロビーは、ベンチや会議用テーブルが置かれた簡素なスペースだったが、改装により、中央に木のついたてで囲んだ半個室を新設し、道産材のベンチとテーブルも多数配置。窓際には暖色系の照明を置いた長机と椅子を並べ、木のぬくもりを感じながら読書や勉強に集中できるようにした。子育て世代に配慮した授乳室も新設した。

改装のきっかけは、湧別高生の声。昨夏、同高生徒会が町との意見交換会で「学生が校外で気軽に集える居場所を作ってほしい」と要望した。ロビーを待ち合わせ場所にしている町民も多いため、町はロビーを「憩いの空間」としてリニューアルすることにした。

道庁ロビー改装を担当した札幌の建築設計事務所「遠藤建築アトリエ」がデザインし、事業費は約2千万円。森林整備などを目的とする国の補助金を使った。

7日のお披露目式で、刈田智之町長は「誰もが使いやすい空間に整えたので、ぜひ利用してほしい」と呼びかけた。湧別高ボランティア部などが紙芝居や絵本の読み聞かせを行い、リニューアルしたロビーの使い心地を体感した。

湧別高2年三橋優斗(ひろと)さんは「今までのロビーは暗い印象だったが、椅子と机が増え、照明も明るいので、勉強に集中できそう」とテスト前勉強での利用を思案中という。1歳の子どもを伴い来館した町内の竹内咲樹(さき)さん(26)は「授乳室もできて、お出かけする時の安心材料になる」と喜んでいた。(今井彩乃)

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